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世界の礎
第八話 騎馬の民との戦その二

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「やがてばれる、最後まで騙せる相手もいるが」
「そうした相手は」
「どうにもならない愚か者だ」
「大抵の者にはばれますね」
「若しそこまでの愚か者が多いなら」
 義青はその場合についても話した。
「その国は滅びる」
「国の多くの部分が愚かになるので」
「そうなる、そんな国は論外だ」 
 それこそというのだ。
「そして騙されたとわかった相手は騙した相手を許さない」
「敵となりますね」
「そうなる、だからだ」 
「義青様は真実を言われますね」
「若し騙したままにしたければその相手を殺せ」
 こうまでだ、義青は言った。
「それしかない、だが民を殺してはだ」
「国力がその分落ちます」
「だから私は真実を言うのだ」
 そうするというのだ。
「帝国に降る様に言うにあたってな」
「そうなのですね」
「そしてだ」
「降るならよしですね」
「そのまま帝国の民として生きてもらう」
「帝国の統治の下で」
「そうする、それで従わないならな」
 その場合はというと。
「攻めて降す、遊牧民達にもな」
「そうしていきますね」
「これよりな、それでカスピ海の方にだ」
 義青は脳裏にこの世界でも存在している巨大な湖が描かれた地図を出してそのうえでこう言うのだった。
「大きな国があるな」
「はい」 
 イストが答えた。
「イスラム教を国教とする」
「そうだな」
「遊牧民が多く」
「街も多いな」
「左様です、軍事力も強いです」
「その国とどうしていくかだ」
「これからは」
 義青に強い声で応えた。
「北を掌握するにあたって」
「重要だ、だからよく調べよう」
「あの国を」
「そしてどうしていくかをな」
「決めますね」
「そうする」
 こう言うのだった。
「これよりな」
「それでは」
「あの国と交易をしている商人達から詳しく聞き」
 その国のことをというのだ。
「そして密偵もだ」
「送りますか」
「商人や旅芸人に化けさせてな」
 そのうえでというのだ。
「調べさせる、そしてだ」
「あの国のことをよく知り」
「そのうえでな」
「どうするかを決めますね」
「若しあの国が帝国と戦を望むなら」
 それならとだ、義青は強い声で言った。
「我が国もだ」
「受けて立ちますね」
「そうする、だがまずはな」
「調べますね」
「相手を知らずして戦略はない」
 そうであるからだというのだ。
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