落ち度
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『フレイム ドラゴン』
『セット オープン』
赤と金。
二つの魔法陣が、夜の大学を彩る。
ハルトとコウスケは、その姿を一気に変身させていく。
『ボー ボー ボーボーボー』
『LION ライオーン』
ウィザードとビースト。
二人の魔法使いが身構え、その隣ではえりかが腰に盾を装着している。
「やっぱりこうなるか……」
変身するや否や、ビーストが自らの体を見下ろしながら言った。
彼の体は、ところどころにノイズが走っている。その都度、ノイズが消えたところは生身のコウスケに戻っており、思い出したかのようにビーストの金色が復活する。
「以前、お前がウィザードの力を取られた時と同じだな。んで、しばらくしたらオレの力は完全に奴に取られる、と」
ビーストは両手の拳を握り、アナザービーストを見上げた。
「前回同様、時間はあまりねえ。速攻で行くぜ！ ハルト！」
「……うん」
ウィザードは頷き、ウィザーソードガンを握る。
アナザービーストのメインの頭部であるライオンの口が大きく開く。咆哮とともに、その口内より金色の光線が放たれた。
「させません！」
えりかは叫び、盾で光線を弾き防御。
その隙に大周りしながら、ウィザードはビーストとともにアナザービーストへ接近。ジャンプし、ウィザーソードガンを振り上げた。
「ごめんね……結梨ちゃん！」
振り下ろされる銀一閃。
それはアナザービーストの胴体を切り裂き、大きく後退させた。
「へえ、戸惑った口調の割にはやるじゃないか。流石はウィザード」
すぐ背後から、パピヨンの賞賛が聞こえる。
振り向かなくても分かる。パピヨンは、背中に蝶の羽を生やし、無数の蝶たちと空中に浮かび上がっているのだろう。
『フレイム シューティングストライク』
「ニアデスハピネス！」
ウィザーソードガンにルビーの指輪を読み込ませるのと同時に、パピヨンが唱える。
すると、発射された銃弾とともに、無数の蝶たちがアナザービーストを襲う。その巨体に繰り返されていく爆発とともに、アナザービーストは数歩後ろに下がる。
「ふむ。大きなダメージになっているようではないか！ これでも君は、最強の参加者というわけでもないのだろう！」
「……もう、黙ってくれ……」
ウィザードは懇願するが、パピヨンは当然耳を貸さない。
「これまでもこうやって戦いを止めない参加者を薙ぎ倒してきたわけだ。全く、本当に君には恐れ入るよ」
「止めろって言ってるだろ！」
ウィザードはパピヨンの襟首を掴む。
「お前何なんだよ！ 結梨ちゃん、妹なんだよね！？ 他に言うこととかないの！？」
「無いな」
はっきりと。
そし
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