落ち度
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ャル サイコー』
叫んだウィザードは、魔法の指輪を発動させる。
胸に装着されたドラゴンの頭部が大きく口を開く。口の中に沸き上がった炎が魔力を帯び、アナザービーストの光線と激突、相殺されていく。
着地したアナザービーストを睨みながら、ウィザードは別の指輪を発動させる。
『バインド プリーズ』
炎の鎖が、アナザービーストを締め付けていく。
同時にフロストノヴァもアナザービーストの四本の足を氷で閉ざす。
もう、アナザービーストは動けない。
「……これで……」
ウィザードは、キックストライクの指輪を手にする。
右手の指輪に嵌めれば、あとはウィザードライバーに読み込ませ、いつも通りキックストライクをすれば、アナザービーストはおそらく倒れるだろう。
ウィザードは顔を上げる。アナザービーストの目が、ウィザードと会ってしまう。
アナザービーストの目。元々の宿主はあのキメラではなるが、そのさらに元となった結梨の目が、アナザービーストの顔にあるようにも見える。
「……結梨ちゃん……今、意識はあるのかな……?」
ウィザードの動きが完全に止まる。
フロストノヴァに冷凍され、アナザービーストの全身が白く染まっていく。果たして結梨は寒い、と感じているのだろうか。
「ハルト」
ビーストは、そんなウィザードの手を上から抑える。
「止めておけ。お前は、もう十分だ。……オレがケリ付けてやるよ」
ビーストはそう言って、ウィザードが見慣れない青い指輪を取りだした。右手に付けた指輪を、ビーストドライバーにセット。
『ハイパー ゴー』
すると、ウィザードが知り得ない彼の新たな魔法が詠唱される。
『ハイ ハイ ハイ ハイパー』
青と金の魔法陣とともに、アナザービーストに似た怪物が幻影として飛び出す。それはアナザービーストを押し出す。さらにそれは、ビーストの身体に接触___丁度、フレイムドラゴンに変身するときと同じように___、体に吸収されていく。
そして完成した、新たなビーストの姿。
「心配すんな。結梨を苦しませはしねえ。……勝手だけどよ」
ビーストはそう言って、彼の隣に着地したフロストノヴァへ顔を向けている。
「フロストノヴァ。悪いけど、アイツを安らかに眠らせてくれねえか? お前の子守歌なら、出来るだろ?」
「……ああ」
フロストノヴァは頷き、手を翳す。
すると、アナザービーストの冷気が増し、ウィザードの熱の鎖さえも凍結していく。
「コウスケ……」
「結梨のこと、知らねえ訳ではねえけどよ……お前の方が、よく通ってたからよ。お前にトドメは刺させねえ」
「いや……俺にやらせてくれ」
ウィザードはビーストの手を振り払
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