落ち度
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てピシャリと。パピヨンは言い切った。
「生憎俺は妹と会ったこともなくてね。家族愛についても、理解できないんだよ。君同様……人間ではないものでね」
「……っ!」
ウィザードの腕から力ががくっと抜けていく。
「そういうものじゃないだろ……家族って……」
「化け物ごときが、家族についてよく語るじゃないか。お前も、家族なんていないだろうに」
「……ッ!」
一瞬、ウィザードがパピヨンを掴む手に炎が宿る。
だがパピヨンは、ウィザードの手を振り払い、タイツに付いた火をはたきおとす。
「我が妹を守れなかったのはあくまで君の落ち度だろう? それを棚に上げて、俺を非難するのか?」
「それは……」
ウィザードは力なく倒れ込む。
だが、その隙をアナザービーストが見逃す理由はない。
えりかの盾を掻い潜り、もうウィザードたちの目と鼻の先までに肉薄してきたアナザービースト。
だが。
「いい加減にしろウィザード……!」
そんな巨大な獣の前に立つのは、白いウサギだった。
フロストノヴァは両手を地面に押し当て、巨大な氷の壁でアナザービーストの動きを防いでいる。
「何をしている……!」
彼女が腕を動かせば、その都度吹雪がアナザービーストを包んでいく。一気に体を冷やし切っていくが、アナザービーストは上空に一気に飛翔し、冷気から逃れていく。
即、上空でアナザービーストは光線を放つ。
「させません!」
だが、えりかの盾がそれを次々に防いでいく。彼女の見えない防壁により、突き刺さろうとしていた光の線は無害な光となり、散っていく。
「凄い防御力だな……」
えりかを眺めながら、パピヨンは唇を舐めながら頷いている。
「これだけのものだと、俺でも突破は難しそうだ……」
「参加を降りられてよかったな」
氷を生成しながら、フロストノヴァは軽口を叩いた。
「お前はもう、参加者になることを諦めるんだろう?」
「ああ。戦って、今の俺は望まぬメダルの化け物になってしまった。もうこんな争いはこりごりだよ」
「……ふん」
鼻を鳴らしたフロストノヴァは、更に手を突き上げる。
すると、地表より氷の柱がアナザービーストめがけて伸びていく。
だがアナザービーストは、翼を駆使して氷の先端を回避。その光線は、えりかの盾と無数の激突を繰り返していく。
「……ぐっ!」
やがて、えりかは膝を付いた。
彼女の盾は確かに強力だが、それを支えるえりかの体力は有限ということだろう。膝を付き、盾は力なく地面に突き刺さった。
そして、障害がいなくなった瞬間、アナザービーストはより一層巨大な光線を放った。
「……ああああああああああ!」
『チョーイイネ スペシ
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