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男の娘は傍にいる
第二章

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 今自分達の横を通った黒髪をロングにした小柄で楚々とした感じの女子大生と思われる店員を見て言った。
「あの娘が」
「そうかもな」
 沖村は笑ったまま返した。
「ひょっとしたら」
「嘘だろう?」
「いや、ときかえばや物語だと」
 ここで日本のこの古典を出した。
「男は女に女は男に」
「今の日本の創作では普通だね」
「平安時代にはあったんだよ」
「おいおい、大昔じゃないか」
 平安時代と聞いてだ、ボリバルは驚いて言った。
「それなら」
「そうだね」
「そうだねじゃないよ」
 それこそというのだ。
「我が国エクアドルが建国されるどころか」
「アステカやマヤだね」
「そうした文明があった」
 中南米にというのだ。
「そんな頃だよ」
「そうだね」
「そういった文明も栄枯盛衰があってね」
「その頃も栄えたり衰えたり」
「色々あったけれど」 
 それでもというのだ。
「そうした大昔でね」
「その頃に男の娘はだね」
「日本のそうした創作文化は恐ろしいよ」
「平安時代には男の娘があったことが」
「うん、それでなんだ」
 まさにとだ、沖村はさらに話した。
「若しかするとね」
「あの美人さんが実は」
「男の娘かもね」
「スカートで」
 見ればその店員は黒いミニスカートだった。
「脚も奇麗だけれど」
「わからないよ、織田信長さんだってね」
 あまりにも有名なこの人物もというのだ。
「若い頃お祭りで天女になってるし」
「女装だね」
「元々美形だったしね」 
 沖村は肖像画のことから話した。
「かなり似合っていただろうね」
「あの人も男の娘だったんだ」
「そうだよ」
「実在人物までもが」
「そしてだよ」
 沖村はここで自分のスマートフォンを出した、そしてだった。
 江戸時代の浮世絵の美人達それに今のゲームの美少女達のまとめた画像を見せた、そのうえで話した。
「これが全部ね」
「男の娘なのかい」
「そうなんだ」
 ここでも笑って話した。
「実はね」
「江戸時代の方も女の子にしか見えないよ」
「それがだよ」 
 その実はというのだ。
「違うんだよ」
「全部かい」
「男の娘だから」
「全く、どうしたらこんなことが考えつくんだ」
 唸ってだ、ボリバルは述べた。
「江戸時代は日本文化が独自の進化を遂げたがね」
「独自かい」
「異次元の様なね」
 そうしたというのだ。
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