第一章
[2]次話
タウザーの功績
スコットランドのハイランドの話である。
スコットランドはウイスキーの産地でありこの地域にグレンタレット蒸留所というワインの製造所があった、ウイスキーを造るにあたって一つ問題があった。
「大麦があると鼠や烏が来るんだよ」
「食べに来ますね」
「ああ、そうなんだよ」
蒸留所の所長は見学に来た学生に話した。
「だから猫を飼うんだよ」
「その鼠や烏を狩るんですね」
「烏はおっぱらってな」
こちらの脅威はというのだ。
「それで鼠は狩ってな」
「防ぎますね」
「そうするんだ」
こう学生に話した。
「もうお猫様だよ」
「蒸留所の守り神ですね」
「そしてうちの守り神はな」
「ニャア」
ここでだった、蒸留所の中で話す二人のところに。
長い毛を持つ上が黒で下が白の雌猫が来た、身体は結構な大きさだ。所長はその猫を笑顔で見つつ学生に話した。
「タウザーっていってな」
「この娘が守り神ですね」
「ここのな、鼠取るのが上手でな」
そうであってというのだ。
「それでいつも狩った鼠を俺に見せるんだよ」
「仕事をしたって誇示するんですね」
「それでちょっと思いついて狩って見せに来た鼠の数カウントしたらな」
そうしていくと、というのだ。
「もう二万だよ」
「二万、凄いですね」
「ああ、そこまでな」
笑顔で言うのだった。
「狩ってるんだよ」
「それはギネスに乗りそうですね」
二万という数を聞いてだ、学生は答えた。
「申請してみますか?」
「いいな、じゃあやってみるか」
「そうするといいですよ」
「ものは試しでな」
「はい、それじゃあ」
「今度やってみるな」
署長は笑顔で応えた、タウザーを見ながらそんなやり取りがあった。
そして歳月が経ってだった。
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