第四話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
んかぁ……では!残りの方々も始末しに行きましょうか!?」
「……それは……私を始末してから……言うことじゃねのか?」
「……ワッツ!?」
声の主は倒れたはずの少女だった。
血だまりができた部屋の中央で大量の弾丸を浴び地面に死んだはずの少女は、なぜかその場で立ち上がろうとしていた。
「どうやら……あんたには情報が回ってないみたいだな……これは想定外の事態か?」
「ありえない……あれだけの弾をうけて立ち上がるなど……ありえない!」
「そうかもな……私も始めて経験した時はそう思ったさ……」
少女はそう言いながら立ち上がり、再び男を睨みつけた。
「さて……不老不死の人間に喧嘩をうったこと…後悔させてやるよ!」
「不老不死……噂には聞いていましたが、まさかここに現れるとは……」
牧野は妹紅のことを噂では知っていたみたいだが、自分の目の前に現れることは想定していなかったようだった。
「そういうことだ……これであんたに勝ちはない」
「勝率0%……フフッ……アハハハッ」
勝ち目のない勝負だったことに気付き気が狂ったのか、はたまた不老不死の少女を見て興奮したのか、笑い始めた。
「なにがおかしいんだ?これが現実……」
「ええ、これが現実ですよ。それを覆すことができるのがね」
「なにを……!?」
妹紅は何を思ったのか、まるで何かを避けるように体を後ろにそらし始める。
「……やばっ」
妹紅の視界に入ったのは、自分の真上を通過していく半透明のなにかと、それが通過した後に舞っていく切れた自分の髪の毛だった。
(刃物……それにこのコースだったら……まさか……)
「やはり……戦闘慣れしているあなたにはばれますか……」
牧野は、自分が発射した半透明の刃物を避ける妹紅を見ながらそう呟いた。
「しかし、不老不死のあなたがこのコースの刃物を避けるということは……あの話は本当だったってわけですねぇ!?」
「ちっ……やっぱりそういうことか……」
そう言った妹紅の表情には焦りの色が見え始めていた。
「不老不死……絶対に死ぬことがないと言いますが……一つだけ死ぬ方法がある。その方法は……不老不死の人間の頭と体を切り離すこと!」
「……」
「今、あなたは首元に飛んできた刃物をよけた……つまり!この噂は本当だったというわけです!」
牧野はよっぽど嬉しかったのか、歓喜を上げながら笑い始めた。
不老不死……老化することがなくけがはすぐ治ってしまう。言い換えれば死ぬことができない病気である。しかし、そんな人間でも頭と体が離れてしまえば死んでしまうと言われていた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ