天空の覇王
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わかる。手袋とブーツは黒である。帽子も軍服と同じ色である。
右手には金属製のステッキがある。左手は人のものではなく金属製の二股のカギ爪である。
端正な顔は髭で覆われている。左目には眼帯が掛けられている。それにはヤモリの刺繍がある。ネオショッカーでその才を遺憾なく発揮した男、ゼネラルモンスターである。
ドイツ南部、バイエルンに生まれた。彼の家は下級貴族の家だった。プロイセンのユンカーとは違いそれなりに財もあり地位もあった。大臣をバイエルン王国の大臣を出したこともある。
彼もそのまま官吏になっていたかも知れない。だが時は不穏な風に支配されていた。
第一次世界大戦に敗北し戦勝国の要求する莫大な賠償に苛まれていた。街には孤児達が溢れ絶望感と敗北感に支配されていた。人々は腐敗し退廃的な遊戯に溺れ明日を省みる事無く生きていた。
その中に出て来た男がいた。男の名はアドルフ=ヒトラー。狂気の独裁者であった。
その類稀な演説とカリスマ性によりヒトラーはドイツの権力への階段を駆け上がっていた。それを見た彼は決心した。この人物に付いて行こうと。
彼は親衛隊に入った。大学で法学を修めており将校に任じられた。本来は前線に行かなくとも良かったが突撃隊の粛清で彼は軍人としても優秀な能力を持っている事が解かり猛将として名を馳せたディードリッヒの下に入れられた。そして彼の下で軍人としての素養に磨きをかけた。
戦場において彼は優秀であった。冷静で常に的確な判断を行い軍を勝利に導いた。ディードリッヒは彼を信頼し常に側に置いた。
だが戦局はドイツにとって不利なものへとなっていった。ドイツ軍は次第に敗北を重ね四方から追い詰められていった。
一九四五年四月彼はベルリンに配属される。その頃にはソ連軍が迫っていた。
そして彼は知った。ヒトラーが自殺した事を。四月三十日の事である。
彼はそれ以上戦おうとはしなかった。ベルリンから姿を消すとそのまま行方をくらました。それ以後ドイツで彼を見た者はいない。
彼は何処へ行ったのか。中東にいた。この地にはナチスに密かに好意を寄せる者もいて彼等の支援の下多くのナチス党員がいたのだ。彼もショッカーのゾル大佐もその一人だった。
彼はエジプトへ入った。この地ではナチスの残党を追うモサドとの抗争が頻発していた。彼もそれに遭った。激しい死闘の末彼は左目を失った。
彼はそれでも倒れなかった。そして逆にそのモサドの工作員達を全員倒してしまった。
その彼を首領は誘った。元々ナチスで選民思想に染まっていた彼はそれに従った。以後彼はネオショッカーにおいて大幹部として君臨する。
その水際立った作戦指揮は組織内においても高い評価を得ていた。やがて彼は中東の責任者として南米を取り仕切る魔神提督と並び称されるようになる。冷静に
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