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不遇水魔法使いの禁忌術式
6話
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「おお!すげぇ街だ!」

「…そんなに驚くことなの?」

「いや異世界にきて初の街だぜ?そりゃあ驚くよ」

「……そんなものかしら?」

サーシャは軽く首を傾げている。まあこの感情を共有出来るのは異世界ファンタジーへの願望があった人ぐらいだろう。つまりは此処には居ないということだ。

(…それはちょっと寂しいかな?)

 俺は砂漠から抜け出し旅をしてようやく異世界の街らしい街を見ることが出来た。別に旅行をしたことがないって訳じゃないがちょっとテンションが上がる。小屋やら村みたいなところは見たには見たが異世界ってピンとくるような人の営みを感じるところはあまりなかったからようやくそういうことを感じると思うと心躍る。

「まあ村で話を聞いたりしたから驚き半減ではあるけどさ」
「半分でそれなの?」

 そこは街を囲むような外壁があり門番に兵士らしい人物が居たりする小規模だけどしっかりした街だ。見覚えはないけど想像した感じの石造りな壁と木造や石やら煉瓦やら混ざっている感じの西洋風なイメージに近い感じっぽいな。

(術式は『身体強化』をベースに属性は『風』、部位を限定し『右眼』っと)

魔法を使う時は詠唱のような特定の普段使わない言葉を

遠くを見るならこっちの方がやりやすい。うん、やっぱりそんな感じなんだ。やっぱり壁とかにも魔法を使った仕掛けがあるのか魔力が渦巻く様子を感じる。熟練の土魔法使いなら術式を固定することも容易いのだろう。

 二つに分かれた視界で遠くと近くを同時に見ながら旅の商人やらに紛れて門へと近づいていく。すると俺が遠くを見るようなことをしていると感じたのかサーシャは声をかけてきた。

「カズキも魔法の使い方がスムーズになったわね」

「ん、ああ…先生の教えがいいんじゃない?」

 サーシャに授業をしてもらって術式の組み方やらを習ったのと、一回でも使えたという感覚が残っているということが大きいのだろう。感覚と知識と経験を重ねて分解して組み合わせれば初歩的なことぐらいなら実際習得は楽だった。

「もう…揶揄わないでよ」

 童話かなんかに出てきそうな魔法使いみたいなローブを被っているから顔はよく見えないが揶揄われたと思いながらも褒められたと感じ照れている。可愛い反応だ。

「いやぁ冗談って訳じゃないんだけどな」

俺はそう笑いながら言って少し緊張が解けた。楽しんでいるという気持ちも大きいが、それはそれとしてはじめて踏み込む土地で何が起こるか

「わかってる。使うならバレないように、だろ?」
「その通りよ」

 俺の持つ優位性は複数の属性を使えること。それは原則一人一属性が原則である以上は一度だけは絶対に決まる初見殺しを魔法初心者でも持てるという強力な伏せ札。切り札では
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