6話
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なく伏せ札であるのだから目に付くような戦い方を選んではならない。
「さて…カズキ、驚くのも楽しむのも良いけれど問題は起こさないように気をつけていきましょう」
「ああ、気を抜かないようにするさ」
そう目的の禁忌術式のある地点へ向かうために通らなくてはならない街の一つ目「ナンケープ」へと辿り着いたのだった。
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(ここまでは問題なかった…)
サーシャを腕の中に抱えて走る。追手が少ない方へと走ると誘導されそうな気もするが俺はこういう事態に慣れていない。…というかいきなり弱者をブチのめすのがメンタルが力だと思ってそうな野蛮人な街だと想定するのも無理があると思う。
この展開に驚いているのが俺なんだよね。カルチャーショックだ。
「どうする?いっそこの街から抜け出るってのもアリだと思うけど」
目的の場所へ辿り着く道を決める時に休憩や術式との繋がりだけではわからない情報も集めるために寄ったのだがこうなってはそれはできないだろう。
「そうね…」
サーシャがしばらく考えている様子をしている。間にも追手が放つ魔法の軌道を魔力の流れから予測して避けながら立体的に障害物を利用して駆けていく。パルクールの動画とか見たことあったけどこんな感じだったのかも…まあ俺は追手が居て人を抱えているって考えると爽快感とかはあまりないが。
下の方から罵声や恐喝するような声が聞こえるが無視して走る。
「……決めたわ、あっちの方へ向かって」
「了解!」
サーシャはどうやら方針を決めたらしい。
「…そっちには何があるんだ?」
「隠れて住んでる水魔法使い達の痕跡を見つけたわ」
「なるほど…なら追手を全力で撒いていかないとな!」
俺の次にやることが決まった。やる気も十分。短期的な目標は『水魔法使いとの合流』。行き当たりばったりで当初の目的とはズレている気もするけど…
「ええ…私も試したいモノがあるし軽く片付けてしまいましょう」
サーシャがやりたいことは俺のやりたいことでもある。このまま訳もわからずやられっぱなしは嫌だ。
俺は体内で術式を組み上げてスイッチを入れるようなイメージで戦う為に切り替える。
そしてサーシャは俺には魔力を動かしたとしかわからない動きをし……周囲には霧が漂い始めた。
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