熱砂の騎士
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を分け一方を陽動に使うのは兵法の基礎の基礎ではないか。それに気付かぬとは迂闊だった。
『デッドライオンは既にシドラへ向かっている。この国最大の石油集積地の一つにな』
油田ではなく集積地を狙っていたのだ。確かにそちらの方が効果がある。
『貴様が今から行っても間に合わぬ。この闘い我等の勝ちだ』
勝利の笑いを発そうとする。だが先に笑ったのはストロンガーだった。
「フフフ、間に合わない、か。俺も軽く見られたもんだ、ハハハハハ」
『何がおかしい?』
「おかしい?そうだな、貴様等の間抜けさ加減が」
『何っ!?』
今度は謎の声が荒わげた。
『ほざくな、ここからシドラまですぐに行けるものか』
「ふんっ、黙って見ていろ。カブトロー!」
愛車の名前を叫ぶ。すると紅い、前部に巨大な閃光ライトを点けたバイクが姿を現わした。
「トォッ!」
天高く跳躍する。そしてカブトローに飛び乗った。
『馬鹿め、それで間に合うと思ったか』
「それは・・・こうするのさ!エレクトロサンダー!」
空中へ高圧電流を放つ。すると空に雷雲が現われた。
雷雲が雷を落とす。それはカブトローとストロンガーを直撃した。
「行くぞ!」
雷の力を受けカブトローはその全ての力を出していた。信じ難い速さで走り出した。
『な・・・しまった!』
「カブトローの真の力・・・それを忘れていた事が貴様の誤算だ!」
雷より速く走る。そこへ爆弾の解除を全て終えた滝が出て来た。
「ストロンガー、こっちは終わった・・・ん!?」
そこには新たなる敵へ向けて駆けて行くライダーの姿があった。
「・・・生きて帰って来いよ」
その後姿を見送り滝は一言呟いた。
シドラの石油集積施設がある。世界屈指の産油国リビアでも最大とも言われる集積所だけあってその規模はかなり大きい。そこにデッドライオンはいた。戦闘員達にあれこれと指示を出している。
角の生えた獅子の顔にピラミッドの様な形の鬣を持っている。黒ズボンに上はレンガに似た色をしている。
とりわけ目を引くのが右手である。左右それぞれ二つに分かれた金属製の爪を持っている。
ブラックサタンの最高幹部として君臨していた。首領からの信任は厚く、あのタイタンすら凌ぐものであった。
それは何故か。彼はブラックサタン最初の奇械人だったからだ。南アフリカの刑務所を脱獄した凶悪犯を改造しサタン虫を寄生させたのが彼である。
常に首領の側にあり権勢を誇った。彼が動くだけで組織の行動が決定される時もあった。多くの怪人を従えていた。
だが彼と雇われ幹部であるゼネラルシャドウの関係は良好ではなかった。それが為にシャドウの離反を招いてしまう。それがストロンガーにブラックサタンを滅ぼされる一因となった。
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