第一章
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焼き鳥のタレ
須崎昌玄は焼き鳥屋の店員だ、暖簾分けも言われている位の腕である。大きな菱形の目に太く長い眉に引き締まった唇を持っている。長方形の顔で黒髪を短くしていて一七四位の背で痩せている。
その彼にだ、店を受け継ぐことになっている店長の息子で彼より二つ年下で大学で経営学を学んできた木下朋友ちゃらい感じで茶髪を真ん中で分けた細面で明るい顔立ちに一八〇近い長身で引き締まった体格の彼は仕事の合間に言った。
「いやあ、最近はネットで色々勉強出来ますからね」
「便利ですよね」
「お店の経営や味のことも」
そうしたこともというのだ。
「そう出来てそれで、ですよ」
木下は須崎にさらに言った。
「うちの店のタレも」
「自慢のですね」
「はい、それもですよ」
「再現出来ますか」
「レシピはわかっていますし」
まずはこちらを話した。
「後はAIにどうして作ったらいいか」
「レシピも出してですか」
「そうしたらですよ」
まさにというのだ。
「うちの店の味の再現もです」
「出来ますか」
「いや、本当に便利ですよ」
明るく邪気のない笑顔で言った。
「ネットそれにAIは」
「それはそうですが」
須崎はそうした笑みを浮かべて語る木下今の店長の源太郎の息子の彼に話した。顔立ちや外見は父親そっくりだが遥かに明るくてちゃらい感じの彼にだ。
「それだけじゃないですよ」
「そうですか?」
「ええ、AIも人間が作ったものですよね」
「はい」
その通りだとだ、木下は答えた。
「やっぱり」
「そうですよね。人間が作ったものなら」
「それならですか」
「人間以上のものかっていうと」
「ああ、進歩しましても」
木下もそれはと返した。
「人間以上にはならないですね」
「何でも作る人間以上にはならないですよ」
「それ親父も言いますね」
「ですよね、焼き鳥も作る人間以上のものにはならなくて」
「AIもですね」
「そちらもです」
どうしてもというのだ。
「人間以上じゃないですし」
「じゃあうちの店のタレをAIに言われるまま作っても」
「今の味以上にしたいんですね」
「ええ、俺が継ぎますね」
木下は真面目な顔になって話した。
「それならですよ」
「今以上にいい味にしたいですね」
「そうしたらお店は続くし」
それにというのだ。
「繁盛すれば儲かりますし」
「だからですね」
「大学で経営学学んで今もそっちの本読んで」
「いいっていうお店も食べ歩いていますね」
「そうして自分も店で作って」
そうもしてというのだ。
「勉強してます」
「それでネットもですね」
「使って勉強してますし」
焼き鳥屋を経営する為にというのだ。
「そうしていま
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