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孤独な犬を引き取ったのは
第二章

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「本当に」
「全くだな」
「確かにです」
 学生は真顔で話した。
「王室の方はどなたも心優しく」
「素晴らしい方々だがな」
「それで不幸な犬や猫を保護されている方もおられますが」
「その王室の方でだよ」
 まさにというのだ。
「王女殿下がな」
「ムー=デーンを引き取られたのですね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「凄いだろ」
「はい、それでムー=デーンはですね」
「幸せになるからな、殿下はネットであの娘のことを知られ」 
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「引き取って頂いたんですね」
「ああ」
 まさにというのだ。
「そうされたんだ」
「シンデレラストーリーですね」
「そうだな」
 ラカーンも言った。
「ちゃんと診察もしてくれて他の保護している子達と一緒にな」
「家族に迎えられたんですね」
「ああ、だからな」 
 それでというのだ。
「もうな」
「心配無用ですね」
「何しろ王女殿下が家族に迎えられたからな」
「とても心優しい」
「大丈夫だ、家族を失って寂しい思いをしたが」
「幸せになりますね」
「これからは、こんなこともあるんだ」
 ラカーンはこれ以上はないまでに優しい顔になって話した。
「世の中まだまだ捨てたものじゃないな」
「全くですね」 
 学生も頷いた、そうしてだった。 
 二人でムー=デーンの幸せを祝った、そして彼がそれからも幸あらんことをと心から祈ったのだった。


孤独な犬を引き取ったのは   完


                    2025・2・23
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