暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーガイゼル Feet.オール・ダークライダーズ
Capture:00 〜融合世界群ゼノアース〜
[4/4]
[9]
前
最初
界に存在し、死闘を繰り広げていた。
終わりなき戦いが今もゼノアースで広がり、先の見えない暗闇が未来を閉ざす中で……。
闇を裂いて光で未来の道へ切り開くのように、"一人の戦士"がライダー達の前に現れる。
――某所。
日本の中心であるこの都市には、何万人にも及ぶ住民が人の営みを育んでいた。
アスファルトで舗装された黒く硬い道を100人を優に超える通行人が歩き、それぞれの目的地へと向かっていく。
ある者は友人と語り合いながら、ある者は仕事を果たすべく、ある者は久方ぶりの休みを満喫するべく。
まるで北海の荒波の如く人が行き交うその裏で……迫り来る影があった。
『ケケッ』
「ひぃ、ひぃ、ひぃ!」
一人の幼い少年が何者かに追われている。裏路地に響き渡るその足音が異形の人影を呼び寄せていると知らずに。
少年は躓き、その場に転ぶ。
「あいたっ……ててっ、はっ!?」
迫り来る異形の怪物達が、少年へと狙いを定める。
その光に映し出された影が不定の形となって実体化したようなその異形は少年の命を駆らんと、その手を伸ばした。
「助けてっ!!!」
少年が叫んだ声は路地裏に響き渡った。
異形の影が伸ばしたその手が少年の喉元をかき切らんとした……その時だった。
――異形の影の手の掴んだ者が現れたのは。
『ケケッ!?』
異形の影が見ると、そこにいたのは漆黒の戦士。
昆虫を模した複眼となった緑色の双眸がギロリと睨みつけると、戦士は握っている方とは別の空いた手を拳として握り締めて、鉄拳を叩き込んだ。
異形の影は断絶魔を上げることもなく、その場で霧散。
漆黒の戦士は殴った手をプラプラと振りながら、仮面で隠した口元で呟いた。
「どうやら哀れな亡者が人間襲ってるようだな。こりゃ大変と言うべきか、楽しみというべきか」
戦士は自虐じみた言葉でそういうと、少年の方へ振り向く。
少年は先程起きた一瞬の出来事を目の当たりにして動けないようだ。
名も知らない彼の様子を見た戦士は、誰に言うわけでもなく、しかしその耳に届くように言葉をこぼした。
「今の事は、悪い夢だと思って忘れな。じゃあな」
そう言いながら少年を残して漆黒の戦士は去っていく。
気が付けば、まるで最初から何もなかったかのような裏路地の光景が続いていた。
そう、自分を襲うとしていた異形の影も、自分を助けた謎の戦士の姿も最初からいなかったように。
[9]
前
最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ