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世界の礎
第六話 香辛料もその十三

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「階段は出来る限り一段ずつだ」
「的確に進むことですね」
「政は階段を上る様なものかも知れない」
「だから順序を守り」
「一歩ずつな」
「進めていくべきですね」
「焦らずな、急ぐべきでもだ」
 それでもというのだ。
「焦ってはならない」
「焦りは禁物ですね」
「焦ると周りが見えなくなり」
 そうなりというのだ。
「そしてだ」
「こけますね」
「そうなるからな」
 だからだというので。
「決してだ」
「焦ってはならないですね」
「カエサルは焦らない」
 ユリウス=カエサルだ、この世界ではこの英雄も神霊となっていて政を司る神霊となって崇拝されている。
「そうだな」
「はい」 
 今度はコムが答えた。
「あの方はです」
「そうだな」
「借金を恐れないですが」
「焦ることもしない」
「そうした方ですね」
「焦らないからだ」
 だからだというのだ。
「常に慎重であってな」
「成功しますね」
「カエサルが焦るなら」
 そうした性分ならというのだ。
「成功しなかったかも知れない」
「失敗していましたか」
「彼には危機も多かった」
 その人生においてというのだ。
「スラに粛清対象とされもした」
「そうしたこともあり」
「政争も多くな」
 元老院派とのそれである。
「また海賊に捕まったこともあるし戦でもだ」
「危機がありましたね」
「ガリアでもポンペイウスとの争いでもな」
「しかしですね」
「焦らず冷静であったからだ」
 それも常にだ。
「成功したのだ」
「そうなのですね」
「だから我々もだ」
「焦ってはならないですね」
「何度言っても焦って失敗を繰り返す愚か者も見てきた」
 今度は起きた世界でのことを話した。
「そうした連中にはだ」
「ならないことですね」
「愚か者には習うことはない」
「一切ですね」
「ありのままにはな」
「即ち逆さにしてですね」
「習うことだ」
 そうすべきだというのだ。
「愚か者はな」
「義青様の言われる反面教師ですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうであるべきでな」
「それで、ですね」
「我々は焦らずな」
「順序よくですね」
「ことを進めるべきだ」
「左様ですね」
「そうだ、ではな」
 あらためて言った。
「これからもな」
「ことを進めていかれますね」
「世界の礎を築いていく」
 こう言ってだった。
 義青は帝国を治めていった、そして衛生も整えてそうして次の一手を打ってことを進めていくのだった。


第六話   完


                   2024・12・1
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