第六話 香辛料もその九
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「そうしているな」
「はい、ボウフラを食べさせています」
「そうして対していってな」
それでというのだ。
「出来るだけだ」
「蚊も減らしますか」
「マラリアは怖い」
義青は言い切った。
「あの病でだ」
「どれだけの者が命を落としているか」
「そのことを考えるとな」
「その様にしていきますね」
「井戸に魚を飼う、また蛙もな」
この生きものもというのだ。
「大事にするのだ」
「蚊を食べるからですね」
「そうだ、蛙は有益な生きものだ」
こう言うのだった。
「ゾロアスター教では嫌っているがな」
「だからですね」
サコルが言ってきた。
「義青様はゾロアスター教徒に蛙を殺すなと言われていますね」
「あの宗教では蛙を悪の生きものとみなして殺すが」
「見付け次第」
「それはさせない」
「ゾロアスター教は禁じずとも」
「信仰は許すが」
しかしというのだ。
「蛙は無闇にだ」
「殺させないですね」
「今言った通り蚊を食べるしだ」
マラリアを媒介するこの虫をというのだ、義青は国家の発展の為に蚊の対策についても真剣に考えているのだ。
「蠅も食うしな」
「蠅も厄介ですね」
「汚物にたかるからな」
「病を流行らせますね」
「だから蠅の対策もしているが」
「蛙はそこでも役立ちますね」
「蠅も食べてくれるからな」
だからだというのだ。
「その意味でもだ」
「蛙はいていいですね」
「そうだ、蚊に話を戻すとな」
この虫についてというのだ。
「蛙は幼生の時は水の中にいるな」
「おたまじゃくしですね」
サコルはすぐに答えた。
「あの時はそうですね」
「そしてその時にボウフラを食べてだ」
そうしてというのだ。
「成長して蛙になるとな」
「今度は蚊を食べる」
「だからいいのだ」
「左様ですね」
「その為大事にする、また食うこともできるしな」
蛙はというのだ。
「いいのだ」
「蛙も食うのですね」
「そしてだ」
義青はさらに話した。
「蛙は田にいるが田には他にザリガニやタニシもいるが」
「そうしたものも食べていますね」
「鴨も飼っているが」
「鴨も食べますね」
「その鴨も虫を食べてくれるしな」
田を荒らす彼等をというのだ。
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