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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第242話:風鳴の家系は化け物か
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レーターの中央に埋もれた。上下逆さまに首だけが地面の下に埋もれた弦十郎を残して、訃堂は地面に降り立ち己の息子を見下ろした。
「儂を殺すつもりで突いておれば或いは……とことんまでに不肖の、ぬ?」
弦十郎の甘さに不甲斐無さを覚えていた訃堂だったが、地面に埋もれた彼の頭の部分を見て異変を感じた。よく見ると地面に魔法陣が出来ており、弦十郎の頭はその中に入っている。
「これは……!」
何が起きているかを察した訃堂が、別のクレーターに居る輝彦の方を見た。そこでは案の定、地面に座り込んだ輝彦の傍に浮かんだ魔法陣から、弦十郎が顔を出している様子を見る事が出来た。
「……後でお前の血筋の家系図見せろ。絶対祖先にハルクかヘラクレスが居る筈だ」
「おいおい、人を怪人の家系みたいに言うのは止めてくれよ」
「だったらもう少し人間らしくしてくれ。ただの人間は素手で魔法の鎖を引き千切ったりできないんだよ」
溜め息を吐きながらボヤキつつ、輝彦は魔法陣から顔を出している弦十郎の頭を押し込んだ。それに合わせて弦十郎が起き上がると、口の周りを血で汚しながら再び訃堂の前に立ち塞がる。
「ふぅ……流石にやるな、親父」
「これは、あの男の手妻か……小癪な真似をッ!」
「ハァァァッ!」
弦十郎を仕留め損ねた事に訃堂が肩を震わせている背後から、体勢を立て直した輝彦が切りかかる。完全に死角になっている方向からの一撃に、だが訃堂は蹴りを放つ事で迎え撃ち輝彦の一撃を弾き返した。
「くッ! しかしッ!」
〈アロー、ナーウ〉
背後からの不意打ちは不発に終わってしまったが、輝彦の方もただでは転ばない。弾き飛ばされながらも訃堂に向けて魔法の矢を放ち、彼をその場から飛び退かせ弦十郎が体勢を整えるだけの時間を稼いだ。その場から飛び退いた訃堂はそのまま先程弦十郎が投げ捨てた刀を拾い上げ、体勢を整えた2人は再び並び立って刀を構える訃堂と対峙した。
「「はぁ、はぁ……」」
2対1と言う状況であるにもかかわらず、あちこち傷だらけになり肩で息をしているのは輝彦と弦十郎の2人。一方の訃堂は息一つ乱していない。
あまりにも人間離れした老人の姿に、輝彦は改めてこの家系が如何に化け物であるかを再認識していた。
今頃屋敷の中を捜索している八紘と、今正に未来と戦っている翼の存在を差し置いて…………
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