暁 〜小説投稿サイト〜
世界の礎
第六話 香辛料もその三

[8]前話 [2]次話
「商いもしてな、手工業にも精を出し」
「街や村も整え」
「土地も豊かにしているが」
「民をないがしろにはしない」
「だからだ」
 そう考えるからだというのだ。
「野菜も果物も香辛料も出してだ」
「民を満腹にしますか」
「美味いものも食べさせてな、そろそろ味覚もだ」
 これもというのだ。
「楽しんでもらいたい」
「民達には」
「その段階に来た、香辛料にな」
 これに加えてというのだ。
「塩や砂糖、酢にだ」
「味付けに使うものは」
「他には大豆や魚から造った醤にな」
 これにというのだ。
「味噌や味醂、ソースも用いオイルもだ」
「用いるのですか」
「オリーブオイルがいい」  
 こちらがというのだ。
「オリーブを大々的に植えてな」
「そのうえで」
「そうだ、オリーブオイルを使った料理をな」
「民達に楽しんでもらいますか」
「これからはな、食って売りもし」
「他国にですね」
「利益も得る、今我が国は多くのものを売っている」
 他国にというのだ。
「種類も量もな」
「はい」 
 商業大臣であるイスト、三十代後半程の竜人の女が応えた。鱗の色は青でありそれが実に目立っている。
「農作物に加工品に」
「絹や綿、毛の織物に陶器にな」
「手工業品や鉄器も」
「紙も売ってな」
「塩や砂糖もですね」
「銭も売っているしな」
 こちらもというのだ。
「兎角だ」
「莫大な利益を得ています」
「そうしているかこれからもだ」
「様々なものを売ってですね」
「利益を得る、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「その利益を内政に用い」
「軍にも用いてな」
「より強くしていきますね」
「そうだ、これまで我が国はあまり戦わずだ」
「迎え撃つ方が多かったですね」
「城を攻めるよりな」
 それよりもというのだ。
「むしろだ」
「外交で掌握していき」
「ここまで至ったが」 
 それでもというのだ。
「これからはわからないからな」
「だからですね」
「軍にもこれまで以上にだ」
「力を入れますか」
「そうしていく、十万の兵をな」
 それだけの帝国軍をというのだ。
「二十万にしたい」
「倍ですね」
 イシュが応えた。
「まさに」
「そうだ、三千万の民達からだけでなくな」
「これまでは志願者を求めましたが」
「他国の者達もな」
「軍に入れますか」
「流れ者や他に行く場所のない者達もだ」
「そうした者達も軍に入れ」
 イシュはそうしてと応じた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ