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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第3章 高校3年生
本当の自立に向けて
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はダメ、その代わりに旅行に行けなんて、そんなの筋が通るわけがありません!
 おじさまはきっと、わたしが奨学金を受けることになって浮いてしまった分の学費や寮費を、別の形でわたしのための何かに使いたかったんでしょう。その気持ちはすごく嬉しいし、その厚意は受け取らないと恩人であるおじさまにも申し訳ないと思うべきなんでしょう。
 でもね、こんなやり方は違うと思う。もっと別の使い道もあると思います。だって、わたしが今、本当の意味で自立しようとしてるところなのに、それをジャマするのは保護者として間違ってると思うから。
 生意気なことを言ってるのは自分でも分かってます。でも、こんな甘え方は間違ってるとわたしは思う。本来、学費として投資してたはずのお金を娯楽に使うのは、どう考えたって感覚がズレてるから。
 それにね、わたし、おじさまに出してもらったお金は将来、全額返そうと思ってるから。今は奨学金のおかげでその金額が半分になって、ちょっと気が楽だなって思ってるところなの。娯楽のために使われるお金については、返済の対象外になりますけど、それでも大丈夫ですか?
 えーっと、何を言おうとしてたんだっけ? あ、そうそう! わたし、バイトの話はもう引き受けちゃったので、今さら「やっぱりできません」なんて言えません。わたしの信用に関わるから。
 とにかく、今回のバイトのことはわたしが自立するための大きな一歩なので、おじさまには保護者として見守っててほしいです。』

****


 ――と、ここまで書いたところで、愛美のスマホに純也さんからのメッセージが受信した。


『今、寮のすぐ近くまで来てる。
 これから会って話せないかな?』


「…………えぇっ!?」

 これまた『あしながおじさん』の物語通りの展開に、愛美はげんなりした。

「……仕方ない。会いに行くかぁ」

 ため息をつき、急いで返信した。


『分かった。
 それじゃ、一昨年の五月にお茶したカフェで待ってて。今から行きます。』



「――愛美ちゃん、こっちこっち!」

 愛美がカフェの店内に入っていくと、窓際のテーブルから純也さんが手を振ってくれた。
 今日の彼は、ノーネクタイだけれどベージュのスーツ姿だ。多分、仕事中にわざわざ横浜まで車を飛ばしてきたんだろう。

「いらっしゃいませ。ご注文は?」

「ケーキセットを下さい。チョコレートケーキで、飲み物はストレートの紅茶で」

 お冷やを持ってきてくれた女性のホールスタッフさんに、愛美はメニューも見ないで注文した。
 純也さんもケーキセットを注文していたようで、テーブルには食べかけのいちごショートケーキのお皿があり、コーヒーを飲んでいる。

「――で、話ってなに?」

 グラスのお冷
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