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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第3章 高校3年生
本当の自立に向けて
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を読んでみた。
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『相川愛美様
今年の夏休みには、一ヶ月間泊まり込みで家庭教師のアルバイトをなさると伺いました。
ですが、ボスはアルバイトに賛成しておりません。夏休みにはのんびり過ごして頂きたいとお望みでございます。
同封のチケットとパンフレットは、一ヶ月間で世界の各地を周遊するクルーズ船のツアーのものでございます。ぜひ、ご参加下さいませ。料金はすべてボスが負担致します。
久留島 栄吉』
****
「…………やっぱりこう来たか」
想定通りの展開に、愛美は頭を抱えた。これじゃ、『あしながおじさん』の物語とほとんど同じではないか!
(純也さん……、もうちょっと捻ってもよかったんじゃないの? これじゃいくら何でもあからさま過ぎでしょ)
「愛美、やっぱり≠チて何が?」
「あー……、えっと。『あしながおじさん』のお話の中にも、これと似たようなシチュエーションが出てくるの。ジュディが夏休みに家庭教師の仕事をするって手紙で報告したら、あしながおじさん≠ェ彼女に旅行に参加することを勧めるんだけど。ジュディがそれを断ろうと思って手紙を書いてる時に……、これ以上はちょっとネタバレになるから詳しくは言えないけど」
「「…………なるほど」」
愛美の説明に、親友二人は頷いた。彼女たちは『あしながおじさん』の本を読んだことがないけれど、だいたいの事情は理解できたらしい。愛美にとってのあしながおじさん≠ヘ純也さんだと、二人とも知っているから。
「つまり、純也さんは家庭教師のバイトには反対で、多分愛美と一緒に旅行したくてこんなものを送ってきたってことか。自分もこのクルーズ船に乗るから、とか何とか言って」
「純也叔父さま、やることがあからさま過ぎるわ」
まあ、実際に送ってきたのは久留島さんだけれど、純也さんの命令でしたのだから
強
(
あなが
)
ち間違ってはいないだろう。
「ホントだよね。でもわたし、船旅よりバイトを取るよ。もう引き受けちゃったもん、ドタキャンするなんてあり得ないから」
「エラいっ! よく言った、愛美!」
「やっぱり愛美さんは、意志が固くて立派でいらっしゃるわ。それでこそ愛美さんよ」
そうと決まれば、この船旅を断るとあしながおじさん≠ノ知らせなければ!
「だよね。というわけでわたし、おじさまに手紙書くよ!」
****
『拝啓、おじさま。
今日、秘書の久留島さんからの封書を受け取りました。
クルーズ船のツアー自体はすごく魅力的なお誘いで、こんな形で行くことを勧められなければ、わたしも参加を決めてたと思います。
でも、今回の返事は「No!」です。バイト
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