暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第3章 高校3年生
本当の自立に向けて
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けど、さやかちゃんは「人に教える自信がないから、愛美どう?」って勧めてくれたんです。
一ヶ月間の泊まり込みで、自由に使える時間もいっぱい取れて、謝礼は十万円も頂けるそうです! 高校生にしては、なかなかの高額バイトだと思うでしょ? でも、先方さんから謝礼は十万円って言われたそうです。わたしからだったら、五万円でも「こんなにもらっていいの?」って思ったんじゃないかな。
わたし、このバイトの話、受けるつもりでいます。正直言えば、十万円っていう謝礼も魅力的だけど、自分が誰かの役に立てることが嬉しくて。
でね、そこのお家でのバイトを終えてから残りの十日間は、また長野で過ごすつもりです。
どう、おじさま? わたし、どんどん自立に向かって行ってると思いませんか? ちゃんと夏休みの計画だって自分で立てられるようになったんだから!
おじさまが反対したってムダですから。十八歳になったら、バイトするのに保護者の許可は必要ないの。今回、こうして手紙を書くことにしたのは、久留島さんに隠しごとはできないなと思ったからです。
もちろん、作家の仕事だって投げ出したりしません。自分のやるべきこともキチンとやります。
でも、わたしの意志は固いんだってことを、おじさまに伝えておきたくて。では! かしこ
四月十一日 愛美』
****
――愛美がこの手紙を出してから二ヶ月半が経過した。けれど、あしながおじさん≠ゥらも純也さんからも、未だ何の音沙汰もない。
(今回はさすがに、「何言ってもムダだ」って諦めたのかな)
そう思っていた七月の初旬。この日は短縮授業期間中だったので、午前の授業が終わった愛美が寮の郵便受けを覗いてみると――。
「…………えっ? 久留島さんから何か来てる」
あしながおじさん≠フ秘書・久留島さんから一通の封書が届いていた。それも、封筒には相当な厚みが。
(あの手紙の返事かな? それにしては、こんなに分厚いのが謎だけど)
「愛美、どうかした? ……その封筒は?」
「あら、何かしらね。何だか分厚いみたいだけど。出版社から?」
封筒を手に、リアクションに困っている愛美に、さやかと珠莉が声をかけてきた。
「ううん、おじさまの秘書の人から……なんだけど。なんでこんなに分厚いんだろ?」
「部屋に帰ってから開けてみ? 中身、手紙だけじゃなさそうだし」
「うん」
――昼食を済ませ、部屋に帰ってから開けてみると、中にはいつものようにパソコン書きの手紙と何かのチケット、そして何やらパンフレットのようなものが同封されている。
「これは……、クルーズ船のチケットとパンフレット……? どういうこと?」
ますますわけが分からず、首を捻った愛美は手紙
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