罰
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るはずだよ」
白い魔法使いはハーメルケインを左手に持ち替える。
「さて。ボンドルドは死亡した。シールダー、君には悪いけど、彼の存在は聖杯戦争を破壊しかねないからね。運が悪かったと諦めてくれ」
「諦めてくれって……」
「マスターのいないサーヴァントは、あくまで魔力補給ができないだけで、参加者であることに変わりない。君が願いを叶える可能性だってゼロではない。うまく立ち回り、この聖杯戦争を生き延びてくれたまえ」
「……」
きっと唇を噛みしめながら、えりかは白い魔法使いを睨む。
「教授は……確かに、悪い人でしたけど……でも、どうして……!」
「さっきも言っただろう? 聖杯戦争の運営に支障をきたす。彼が今後完全な賢者の石の錬成に完成した場合、質と量によっては新たな聖杯になる可能性がある。この見滝原で別の聖杯戦争が起こると困るからね」
「そんな、万が一どころじゃない可能性のために……!」
「……さて。そこのキメラも処分しておかないとね」
白い魔法使いは、冷たい声でハーメルケインをキメラへ向ける。
「……!」
結梨を身に寄せるハルト。一方、白い魔法使いは無情にも、ハーメルケインを下ろすことはない。
「まあまあ粗はあるが、そのキメラにも賢者の石は使われているようだ。もしうまく解析でもされれば、新たに賢者の石を作り上げる者がでるかもしれない」
「何を言って……?」
キメラを抱く手に力が入る。
白い魔法使いは、ゆっくりとキメラの命を抉り取ろうと迫るが。
「ハルト!」
『ファルコ ゴー』
金色の影。
オレンジのマントを纏ったビーストが、蹴りでハーメルケインの軌道を反らしていたのだ。
「おい、何だよこれ!? 何があった!?」
ビーストは白い魔法使いと取っ組み合いながら叫ぶ。
「何か、いきなり建物が爆発するわ、来てみたらウィザードの偽物がいるわで、何がどうなってんだよ!? それに、教授と結梨は!?」
矢継ぎ早のビーストの問いに対し、ハルトはただ茫然と二人の戦いを見つめていた。
「おい、ハルト! 何か言えよ! って、その犬はどうした……?」
ビーストの視線がキメラに注がれる。
あの場にいなかった彼から認識されたことで、ハルトの中にこの惨状が現実だと訴えてきた。
「この子は……この子は……!」
言葉が口から出てこない。
ハルトが震えていると、白い魔法使いの声がぴしゃりと現実に引き戻す。
「目障りだね」
ビーストと組み合っていた白い魔法使いは数ステップ後退し、指輪を発動させた。
『エクスプロージョン ナウ』
発動した爆発の魔法。
それは、先ほどのウィザードたちと同じように、ビーストも吹き飛ば
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