暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第241話:血縁を断ち切る覚悟で
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
突く」
「かねてより進めていた内偵と政治手腕により、風鳴総家への強制捜査の準備が整いました。間も無く執行となります」
「……本気なんだな?」

 輝彦は鋭い視線を弦十郎とモニターに映る八紘に向ける。その問いには、血の繋がった肉親を犯罪者として捕縛する覚悟があるとみて良いのかと言う確認が含まれている事に気付いた弦十郎は、厳しくもハッキリと首を縦に振って答えた。

「そうだ、最早一刻の猶予もない」
『風鳴 訃堂自らが推し進めた護国災害派遣法違反により、日本政府からの逮捕依頼だ。状況によっては、殺害の許可も下りている」

 今までにない血生臭い内容の話に、輝彦はこの場に呼ばれたのが自分だけな理由に見当が付いた。なるほど今までにも敵と戦う任務は数多くあったしその中で人死にを目の当たりにする事は多々あった。だが明確に殺意を必要とする事は今までに無かった事だ。それは偏に今までS.O.N.G.が敵対し戦ってきたのが、殺人を意識せずに済むノイズやアルカノイズ、ちょっとやそっとの事では死なない魔法使いや正真正銘の怪物であるファントムであったからに他ならない。
 しかし今回は違う。今回は明確に1人の人間の命を手に掛け、その手を血で汚す覚悟が問われる内容であった。それを優しすぎるきらいのある響や純粋な切歌と調は勿論、他の若者たちにやらせるのは色々な意味で憚られた。抵抗されて命を手に掛けた事で心に傷を負う事もそうであるが、殺人する事を恐れて判断が鈍りその結果こちらが被害を被る様な事になっては目も当てられないからである。

 そんな事を装者達に任せるくらいなら、その手の事に割り切れている輝彦やキャロル達に任せた方がずっと確実性が高かった。

「……まぁ、装者の殆どは未成年だからな、仕方がない」
「透君以外の魔法使いや、奏ちゃんとかはしっかり成人してはいるけれどね……こればっかりは、安易には……」

 了子がコンソールに目を落としながら呟いた。確かに、颯人や奏など、魔法使い・装者にも成人している為血生臭い事を任せられる年齢の者は居る。だがそれを未来ある若者に任せたいかと言われれば、弦十郎としては首を縦に振る事は出来なかった。だからと言って曲がりなりにも外部協力者である輝彦や一応は保護しているキャロル達に、こんな事を任せる事に対して思う事が無いと言う訳でも無かったが。

「こんな事を君らに頼むのは、正直心苦しくはあるのだが……」
「いいだろう。綺麗ごとで物事が片付くなどと考えるほど若くはないつもりだ。汚れ仕事位どうと言う事はない」
「俺もだ。元よりそんな事を気にするようでは、あんな事出来はしなかったからな。少しでも役に立てるのなら、協力は惜しまない」
「……ありがとう、感謝する」

 こうして、風鳴総家への強制捜査並びに風鳴 訃堂の捕縛ない
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ