暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第241話:血縁を断ち切る覚悟で
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本題は別にある。

「それで? 颯人達まで外して、一体何の話が?」
「うむ。君や颯人君達の協力、そしてこちらのスタッフや八紘兄貴の協力もあって、やはり未来君は風鳴総家に居るだろうと言う結論に至った」
「ヴァネッサさん達からの情報提供もあって、風鳴総家には風鳴機関ほどではないにしろかなりまとまった設備が隠されているようです」
「そこで小日向 未来の洗脳の最終調整を行っている……と言う事か」

 輝彦の問いに弦十郎、慎次が続けて答え、最後にキャロルが話を締めくくる。その結果に輝彦はさして驚きはしなかった。彼自身凡そそうだろうなとは思っていたからである。肝心の風鳴機関が先のアダムの攻撃により消滅した以上、訃堂が未来を隠しながら色々とやる事が出来るような場所は限られた。そして何より訃堂と言う男の性格を考えたら、身内ですら駒としか見ず他人を信用しているとは思えない性格から導き出されるのは自身の御膝元である総家が最も可能性が高かった。

「もし彼女の洗脳が完璧になったら、どうなると思う?」

 輝彦の問いに弦十郎は眉間に皺を寄せて呻きながら考えた。あまり考えたくはないが、あの護国の鬼を自称する老人の事だ。何をするつもりかは想像するに難くない。

「……まず間違いなく、未来君を国防の主軸に据えた抑止力の体勢を作り出すだろうな」
「加えて、ジェネシスとの関係もあります。神の力を扱える未来さんと魔法使いを中核とした新たな国防機関を起ち上げても不思議ではありませんね」

 ある意味で最悪の未来に弦十郎だけでなく慎次、席で話を聞いている朔也やあおい達も顔を顰めた。もしそんな未来が来れば、遠からずS.O.N.G.と武力衝突になる事は避けられそうもない。
 その一方で、キャロルは事がそう上手く運ぶとは思えずにいた。

「あのワイズマン達が、あの男に素直に従ってくれればの話だがな」

 肝心なのはそこだ。現時点でワイズマンが訃堂と手を組んでいる理由は大体察しが付く。隠れ蓑兼サバトに使う生贄を融通させているのだろう。事実、最近輝彦はジェネシスが行うサバトに気付けずにいた事が多くなっていた。コンサートの襲撃未遂など大きな事件の裏で、ワイズマンは着々とサバトを行い少しずつだが魔法使いを増やしている様なのだ。輝彦達が気付いて現場に向かった時は時既に遅し、とっくにサバトが行われた後で現場には魔法使いになれず犠牲となった人々の残骸だけが無残に残されている事が何度かあった。

 訃堂は魔法使いの戦力を手に入れ、ワイズマンは自分達の身の安全と安定した活動を得る。一見win-winに見える関係だが、その水面下ではまず間違いなく両者共に相手を出し抜こうと画策している筈だった。

「敵は未来君を手に入れた事で精神的に余裕が生まれているかもしれない。そこを逆に
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