十二話 夜の双翼(前編)
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獲物だと云うことに。
「「あぁあああ!」」
残った3機が、背中合わせで手に持ったマシンガンを斉射。
だが、残念ながら、既にそこには誰もいない。
『次の行動を先読みしたかのように』射線から外れた2機。
そのうちの前者が装備している……先程は確認できてなかった腰の砲口から、また光が一条走る。
同時に、頭上から光に串刺しにされたジンが爆裂。
強行偵察に出ていた筈の、3小隊計9機のジンは、接敵から数分で、僅か2機まで数を減らしていた。
「さようなら」
勿論、残りもそう長くは持たなかった。
数秒後、最後に呟かれた女性の声とともに、残りの2機も、共に宇宙のチリと化した。
全機撃墜を確認したあと。
機体の各部の調子を確認しながら、パイロットであるジョン大佐は、ため息と共に愚痴を零した。
「はぁ、これで何機目だよ……懲りねえ連中だ」
彼は、今日もまた、受領した新機体三種のうち一機、ガンダムナイトイーグルと共に、『ゴミ掃除』に精を出していた。
さて、賢明な方には、何故世界樹の周りの警備が雑なのか、本腰をいれないのか疑問に思う方が多いだろう。
その理由を凄く雑に説明すると、『余裕がないから』である。
ニュートロンジャマーによる経済への致命的打撃。
自爆作戦ありきの世界樹防衛戦。
結果、余力があり、きちんと戦力と物資を戦後に残し、軍の勢力を維持できたのは大西洋連邦のみ。
事前にシーゲルさんに食らった離間の計+皮算用の内輪揉めで連合内部の意識を統一するのに凄く時間がかかりますという事も、めちゃくちゃ痛手だった。
それに、地上もからっぽに出来ないしね。
つまり、ほとんどの国は、余裕がない中、宇宙と地上に戦力を振り分けなきゃならない訳で。
いざ、世界樹は要所なので守らなきゃなりませんとなったとき、地球の各国の殆どの国から送られてきたのが、この後モビルスーツ中心の戦場では要らなくなるであろうメビウスと、ついでにいなくなって欲しい主流派と対立する窓際のパイロットと提督達と云うのも、無理なからぬことであった。
まあ、しわ寄せ全部新任大佐の俺に来るんですがね!
「帰投するぞ、イヴ」
「ええ、ダーリン!」
茶目っ気たっぷりにウインクするイヴを見ながら、ジョンは思う。
いや、『あの事』はとても喜ばしい事なんだが。
あの光を浴びた日から、性格、変わり過ぎじゃない?
俺が聞いたのは、イイ声してる男二人と透き通るような女性の声だったんだが、イヴは誰の声を聞いたんだ。
というか、どんな吹き込まれ方したらそんなに性格変わるの?
誰の声を聞いたかも教えてくれず、ただ性格がとても明るくなったイヴに首を傾げながら、ジョンは機
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