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トップシークレット☆桐島編 〜お嬢さま会長に恋した新米秘書〜
秘書としての覚悟 B
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だった。
「余命宣告された時はショックだったけど、今はパパと過ごす時間の一分一秒が
尊
(
とうと
)
く思えるの。そう思えるようになったのは貴方のおかげだよ。桐島さん、ホントにありがと」
そう語られたように、彼女はお父さまの命のリミットと真摯に向き合われているのだと分かり、僕も嬉しかったし、そんな彼女のことがより愛おしく感じた。「感謝されるようなことは何も」と謙遜で返したが、本当はベタ褒めされるのが照れ臭かっただけだ。
「――そういえば、もうすぐクリスマスですね。絢乃さんはもう予定が決まってらっしゃるんですか?」
こんな質問をしたのは、あわよくば彼女が僕と一緒にクリスマスを過ごしてくれるのではないか、という淡い期待もあったからかもしれない。デートなんておこがましいことは言えないが、せめてメッセージアプリで繋がって、同じ時間を共有するくらいならバチは当たらないだろう、と。正直、もうクリ
ぼ
(
・
)
っ
(
・
)
ち
(
・
)
≠ゥらは脱却したかったのだ。
絢乃さんは「まだ特にこれといっては」という答えの後、僕に「彼女と過ごしたりするの?」と質問返し。
こんなことを訊くということは、もしかして……!? 彼女も僕と過ごしたがっているのか!? 待て待て俺! 女性不信はどこに行った!?
「いいえ、僕もまだ何も。というか彼女はいないので、今年もきっとクリ
ぼ
(
・
)
っ
(
・
)
ち
(
・
)
ですね……」
肩をすくめ、余裕をぶっこいて答えたつもりだったが、本当は心臓バクバクだった。ちなみに脳内BGMは超ロングヒットのクリスマスイブの歌である。
彼女はホッとしたように「……そう」と言ったので、僕に交際相手がいないことに安心していたのは間違いないようだった。
絢乃さんは毎年、イブにはお友だちとお
台
(
だい
)
場
(
ば
)
のツリーを見に行かれるそうだが、その年はお父さまと過ごされる最後のクリスマスだけに、お友だちも遠慮されているらしかった。そしてきっと、彼女自身も悩まれていたのだろう。
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