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有名人の吸血鬼
第二章

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「有名なね」
「飛ぶ方は吸血鬼でか」
「人を襲うんだよ」
「成程な」
「あと小説だとね」 
 里中はそちらの話もした。
「髑髏検校って作品もあるよ」
「物々しいタイトルだな」
 髑髏と聞いてだ、池山は眉を曇らせて応えた。
「それはまたな」
「そうだね、横溝正史さんの作品で」
「金田一耕助のか」
「ドラキュラ伯爵がモチーフなんだ」
 作品のというのだ。
「天草四郎さんが吸血鬼なんだ」
「あの人がか」
「そう、よかったら読んでね」
「あの人が出るとまんまあれだな」
 池山は天草四郎ということから言った。
「魔界転生だな」
「あっちは山田風太郎さんだね」
「被るな」
「島原の乱はこうしたお話に扱いやすいってことだね」
「そうだよな、まあ吸血鬼は何処でもいるんだな」
「そうだよ」
 里中は池山に話した、そうしてだった。
 池山は髑髏検校という作品を買ってそのうえで読んでみた、そして読破してから里中にこんなことを言った。
「最近大蒜よく食うよ」
「吸血鬼のお話してから?」
「ああ、種類によって苦手じゃないのは知っていてもな」
 それでもというのだ。
「気になってな」
「大蒜よく食べるんだ」
「スパゲティに入れて」
 大蒜をというのだ。
「ラーメンにもな」
「入れるんだ」
「チューブのおろし大蒜あるだろ」
「スーパーで売ってるね」
「あれ買ってな」
 そうしてというのだ。
「使ってるよ」
「そうなんだ」
「入れられる料理には入れる様にしてだよ」
「食べてるんだ、確かに君今匂うよ」 
 里中は池山に笑って返した。
「大蒜の匂いがね」
「臭いか」
「ちょっとね、歯を磨いてもね」
「匂うものは匂うな」
「そうだからね」
「餃子も食ってるしキムチだってな」
 こちらもというのだ。
「食ってるよ」
「何でもだね」
「ああ、しかし天草四郎さんが吸血鬼になるならな」 
 池山は髑髏検校から話した。
「それなら他の人もな」
「なってもおかしくないっていうんだね」
「そうじゃないか?日本でも」
「具体的には誰かな」
「とある漫画じゃ森蘭丸さんなってたな」
 織田信長に仕えた美貌で知られる武将である。
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