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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
冬休みin東京 A
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「珠莉が?」

「うん。……どうかな?」

 純也さんは(ほう)けたように愛美をしばらく見つめた後、やっと感想を言ってくれた。

「…………うん、スゴく可愛いよ。ドレスもよく似合ってる」

「ありがと! このドレスは田中さんからのクリスマスプレゼントなの。っていうか、わたしが今身に着けてるもの一式」

「……へぇ、そうなんだ」

(あ、純也さん、気づいたな。わたしが今着てるのが、自分が選んだものだって)

 あしながおじさん≠アと田中太郎氏の正体が純也さんだと分かっている愛美には、彼のリアクションがわざとらしく感じた。けれど、知らないフリをしていることに決めたので、それはあえてスルーした。

「……あ、そうだ。わたしからも一つ、純也さんにお願いがあるんだけど」

「愛美ちゃんも? なに?」

「わたし、今度長編小説を書くことになって。また純也さんを主人公のモデルにしようと思ってるんだけど」

「え、また俺がモデル?」

「愛美さん曰く、叔父さまは小説のヒーローに持ってこい、なんですって」

「うん。……でね、舞台を東京にしたいんだけど。純也さんに、わたしがまだ行ったことない東京の名所とか案内してもらいたいなぁ、って」

 脱線しかけた話を戻し、愛美はお願いを言った。

「いいよ。明日、一緒にあちこち回ろう。前回は渋谷〜原宿方面だったから、(ぎん)()とか浅草(あさくさ)とかかな」

「うん、いい! あと、スカイツリーにも行ってみたいな」

「いいね。じゃあそこも」

「やったぁ♪」

「あらあら。愛美さん、よかったじゃない。純也叔父さまとデートできることになって」

「で……っ、デデデ……デート!?」

 珠莉の口から思いもよらない言葉が飛び出し、愛美は思いっきりうろたえた。

(好きな人と二人きりでお出かけ……。そっか、それって「デート」ってことになるのか……)

「こら、珠莉! からかうんじゃない! ……でも、そういえば俺と愛美ちゃんってデートらしいデートはしたことなかったな」

「あ……そういえば、そうかも。夏には長野で二人きりで色々遊んだりしたけど、あれはデートにならないし」

 バイクでツーリングしたり、二人で山登りをしたり……はデート≠フカテゴリーに入れていいものか……。

「じゃあ、明日が初デートか。二人で思いっきり楽しんで来ような。もちろん、浮かれて遊んでばっかりじゃなくて、ちゃんと執筆のための取材もしてね」

「わ……分かってます!」

 愛美は純也さんに噛みついた。
 人生初のデートはもちろん楽しみだし、ドキドキもしているけれど、本来の目的はあくまで新作執筆のための取材である。明日はちゃんとスマホも持
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