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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
冬休みin東京 @
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た。周りには豪邸がズラリと建ち並んでいる。

「うわー……、大きなお家ばっかり。珠莉ちゃんもこんなにスゴいところに住んでたんだね。わたし、なんかドキドキしてきちゃった。この服でおかしくないかな……?」

 立派なお屋敷に招かれたんだからと、愛美もこれでも精いっぱいおめかししてきたつもりだ。

「大丈夫よ、愛美さん。家に上がるだけならドレスコードなんて必要ないもの。堂々としていらっしゃい」

「……うん」

 ――やがてリムジンは辺唐院(てい)の立派なゲートをくぐり、お屋敷の玄関前に停まった。

「ささ、到着致しました。どうぞ、足元にお気をつけてお降り下さいませ」

「ありがとうございます」

 ――平泉さんに後部座席のドアを外から開けてもらい、愛美と珠莉はリムジンを降りた。
 外は寒かったので、二人ともすぐにコートを羽織る。

「お荷物は、わたくしがお部屋までお運び致しますね」

「はい、すみません。ありがとうございます。――あ、純也さんのクルマだ」

 愛美はカーポートに、見憶えのあるSRV車が停まっていることに気がついた。あれは、夏に純也さんが長野の千藤農園まで運転してきていた車に間違いない。
 高級外車がズラリと並んで停まっているカーポートの中で、この一台だけがかなり目立っている。「浮いている」と言った方が正しいだろうか。

「あら、ホントね。あんなお車に乗られるのは純也叔父さまくらいだわ。……ああ、ごめんなさいね、愛美さん。悪気はなかったのよ」

「ううん、気にしないで。ってことは、純也さんはもう帰ってきてるってことなのかな」

「そのようね。じゃあ、私たちもお家に入りましょう。――あ、靴は履いたままでよろしくてよ。我が家は欧米スタイルだから」

「へぇ……。うん、分かった」

 日本にもそういう生活スタイルを取り入れたお家があるなんて、愛美は驚いた。茗倫女子大付属の寮もそのスタイルだけれど、一般家庭でそうなっているところは初めて知った。

「――珠莉お嬢さま! お帰りなさいませ。お友達もご一緒でございますね。お嬢さまからご連絡を受けておりました」

 玄関ホールに一歩足を踏み入れると、そこは愛美のまったく知らなかった世界だった。
 床は大理石、天井には(きら)びやかなシャンデリア。おまけに、このスペースだけで愛美たちが今暮らしている〈双葉寮〉の三人部屋ほどの広さがある。
 出迎えてくれたのは、五十代の初めくらいの家政婦さんだった。

「ええ、ただいま。彼女が電話で伝えていた、相川愛美さん。同じ高校のお友だちよ」

「は……っ、初めまして。相川愛美です。この冬休みの間、お世話になります」

「愛美さま、よろしくお願い致します。(わたくし)、この家の
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