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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
ホタルに願いを込めて…… A
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。
でも、愛美に断る理由なんてひとつもない。彼が自分の想いを受け止めてくれたんだから、今度は愛美の番だ。
「はい……! こちらこそ、よろしくお願いします!」
恋が実った喜びで胸がいっぱいになって、愛美は泣き笑いの表情で返事をしたのだった。
「よろしく。――じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「はいっ!」
こうして晴れて恋人同士になれた愛美と純也さんは、来た時と同じように手を繋いで千藤家への道を引き返していった。
「帰ったらさっそく、小説読ませてもらおうかな」
「……は〜い。あんまり厳しいこと言わないで下さいね? わたしヘコんじゃうから」
「はいはい、分かってますよー」
という楽し気な会話をしながら、愛美は心の中で天国の両親に語りかけた。
(お父さん、お母さん、見てる? わたし今、好きな人とお付き合いできることになったんだよ!)
きっと見てくれていただろう。あの場所で飛び交うホタルに生まれ変わって――。
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