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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
ホタルに願いを込めて…… A
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し! じゃあ明日の夜、ホタルを見に行こうか」

「はいっ! 楽しみです!」

 ――明日の夜、ついに念願が叶う! 愛美は心が躍り、そして――決意した。

(決めた! わたし、明日の夜、純也さんに告白する! ホタルの力を借りて……)

 今まで一年以上、ずっと彼に伝えられなかった想い。でも、ホタルに背中を押してもらえたなら、言えそうな気がした。


   * * * *


 ――翌日。この日は朝からよく晴れていて、暗くなってからもそのいいお天気は続いていた。

「わあ! キレイな星空……。ここから手を伸ばしたらつかめそう」

 ホタルが見られるという川辺まで歩いていく途中、愛美は満天の星空に歓声をあげた。
 一年前にもこの土地で同じように星空を眺めたけれど、今年の夏は好きな人と一緒。だからキレイな星もより光り輝いて見える。

「ホントだね。僕もこんなにキレイな星空、久しぶりに見たな」

 純也さんも頷く。
 東京ではこんなにキレイな星空は見えないだろうし、仕事に忙殺されていたら星空を見上げる心のゆとりもないのかもしれない。

 ――そして、愛美はこの時、ちょっとしたオシャレをしていた。

(純也さん、気づいてくれるかな……?)

 原宿の古着店を回って買った、ブルーのギンガムチェックのマキシ丈ワンピースに白い薄手のカーディガン。――愛美は小柄なので、サイズが合うものがなかなか見つからなくて苦労したのだ。
 足元はこれまた古着店で見つけた、ブルーのサンダル。少しヒールが高いので、若干歩きにくい。でも身長が高い純也さんに釣り合うように、どうしても履きたかった。

「――あれ? 愛美ちゃん、その服って原宿で買ってたヤツだよね?」

(やった! 純也さん、気づいてくれた!)

 愛美は天にも昇るような気持ちになったけれど、それをあえて顔には出さずにはにかんで頷く。

「はい。気づいてました? ……どうですか?」

「可愛いよ。よく似合ってる。愛美ちゃんは自分に似合う服がよく分かってるんだな。いつ見てもセンスいいよね」

「え……。そんなことないと思いますけど」

 愛美は謙遜した。「センスがいい」なんて言われたのは初めてだ。
 ただ自分の好きな色や、この低い身長に合う服を選んだら、たまたま似合うだけなのだ。

「そういう控えめなところも可愛いんだよなぁ、愛美ちゃんは」

「…………」

 愛美はリアクションに困った。純也さんは時々、真顔でこんなキザなことを言ってのけるのだ。しかも、それが全然イヤミにならないのだ。

「…………。もうそろそろ着くかな」

「……そうですね」

 なんとなく純也さんの方が気まずくなったと感じたのか、彼は取ってつけたようにご
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