暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
恋する表参道♪ A
[9/13]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
ホントはソーダみたいなサッパリしたドリンクの方が合うんだけどね。色もキレイだから映えるし」
「えっ、そうなの? じゃあ、そっちにすればよかったかな」
炭酸が入っている方が、後味スッキリで飲みやすかっただろう。
「でも、コレはコレでいい記念になったから、まあいいかな」
一ついい勉強になったからよしとしようと愛美は思った。「タピオカミルクティーは甘ったるい」と。
(それに、大好きな純也さんと一緒に飲めたし)
思い出とは何を∴んだり食べたりしたかではなく、誰と≠ェ大事なんだと思う。大好きな人と、同じ経験を共有できたことが何よりの思い出になるのだ。
「――ふーっ、お腹いっぱいになったね。じゃあ純也さん、あたしたちそろそろ帰ります。今日はお世話になりました」
「叔父さま、今日はありがとうございました」
原宿駅の前まで純也さんに送ってもらい、三人はそこで彼と別れた。
さやかと珠莉は彼にお礼を言い、すぐにでも帰りそうな雰囲気だったけれど、愛美は彼との別れがまだ
名残
(
なごり
)
惜しかった。
「愛美ちゃん、今日は楽しかったね。連絡先、教えてくれてありがとう」
「……はい」
「じゃあ、また連絡するよ」
「はい! ……あ、じゃなくて。わたしから連絡してもいい……ですか?」
恋愛初心者にしては大胆なことを、愛美は思いきって言ってみた。
今度こそ、引かれたらどうしよう? ――愛美は言ってしまってから後悔したけれど。
「うん、もちろん。待ってるよ」
「はぁー……、よかった。じゃあ、また」
「うん。気をつけて帰ってね」
愛美は純也さんに大きく頭を下げ、二人の親友と一緒に改札口へ。
「――さやかちゃん、珠莉ちゃん。今日、すっごく楽しかったね」
帰りの電車の中で、愛美は二人のどちらにとなく話しかけた。
「うん、そうだね。初めて好きな人にプレゼントもらって、初めて劇場に行って、好きな人と連絡先交換してもらって、そんでもって初タピ? 盛りだくさんじゃん」
「……もう! さやかちゃんってば、列挙しないでよ」
一つ一つはいい思い出だけれど、順番に挙げられると色々ありすぎて目まぐるしい日だった。
特に愛美自身、大胆すぎると思った言動が多すぎて、思い出しただけでも顔から火を噴きそうなのだ。
「でも、そのおかげで恋も一歩前進したじゃん。よかったんじゃない?」
「う……、それは……まあ」
「っていうか、純也さんのアレってさぁ、『付き合ってほしい』って意味だったんじゃないの?」
「…………」
さやかの衝撃発言に、愛美は電車内の天井を仰いだ。
「違う……んじゃないかなぁ。ちゃんと言われたワケじゃないし
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ