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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
恋する表参道♪ A
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えばさっき、電話で愛美から聞いたんだけど。二人、連絡先交換したらしいよ」

「えっ、そうだったんですの? 愛美さん、よかったわねぇ」

「うん。……あれ? さっきの電話の時、珠莉ちゃんも一緒だったんじゃないの?」

 電話口のさやかの声は、興奮していたせいかけっこう大きかった。だから、側にいたなら珠莉にも聞こえていたはずなのだけれど。

「私には聞こえなかったのよ。確かに、さやかさんの側にはいたんだけど、周りに人が多かったものだから」

(ホントかなぁ、それ)

 珠莉の言ったことはウソかもしれないと、愛美は疑った。でも、聞こえなかったことにしてくれたのなら、珠莉にしては気が利く対応だったのかもしれない。

「……そうなんだ。じゃあ、そういうことにしとくね」

 何はともあれ、愛美は純也さんといつでも連絡を取り合えるようになり、親友二人にもそのことを喜んでもらえた。それだけで愛美は万々(ばんばん)(ざい)である。

「――さて。日が傾いてきたけど、みんなどうする? まだ行きたいところあるなら、付き合うけど」

 純也さんが腕時計に目を遣りながら、愛美たちに訊ねた(ちなみに、彼の腕時計はブランドものではなくスポーツウォッチである)。
 時刻はそろそろ夕方五時。今から電車に飛び乗って帰ったとしても、六時半からの夕食に間に合うかどうか……。

「あっ、じゃあクレープ食べたいです! チョコバナナのヤツ」

「わたしも!」

「私も。ヘルシーなのがいいわ」

 原宿といえばクレープ≠ニいうことで、女子三人の希望が一致した。

 甘いもの好きの純也さんが、この提案に乗らないわけはなく。というか、思いっきり乗り気になった。

「実は俺も食べたかったんだ。じゃあ決まり☆ 行こうか」

「「イェ〜イ!!」」

「…………いぇーい」

 愛美とさやかは大はしゃぎで、珠莉は恥ずかしいのか小声でボソッと言い、四人は竹下通りまで戻ってクレープのお店に足を運んだ。
 ここは券売機で注文するシステムのようで、各々好みの商品の券を買った。

「あたし、ばななチョコホイップ。プラス百円でドリンクつけよう」

「わたしも」

「僕も同じので」

「私はツナチーズサラダ、っと」

 ドリンクは愛美・純也さん・さやかはタピオカミルクティーをチョイスした。珠莉はドリンクなしだ。

「愛美は初タピオカだねー」

「うん!」

 山梨のド田舎にいた頃は飲んだことはもちろん、見たことすらなかったタピオカドリンク。愛美はずっと楽しみにしていたのだ。

「実は、僕も初めて」

「「えっ!?」」

 純也さんの衝撃発言に、愛美とさやかは心底驚いた。

「いや、男ひとりで買うの勇
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