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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
恋する表参道♪ A
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、また買ったのか」

 純也さんも、姪の荷物を見てすっかり呆れている。

「ええ。大好きなブランドの新作バッグとか靴とか、欲しいものがたくさんあったんですもの。でも、さやかさんを荷物持ちにするようなことはしませんでしたわよ?」

「いや、そこは自慢するところじゃないだろ。せめて配送頼むとかって知恵はなかったのかよ?」

 わざわざ自分で荷物を持たなくても、寮までの配送を手配すればいいのでは、と純也さんが指摘する。
 個人の小さなショップならともかく、セレクトショップなら配送サービスもあるはずだと。

 ――ところが。

「配送なんて冗談じゃありませんわ。手数料がもったいないじゃないですか」

「珠莉ちゃん……」

 彼女らしからぬ発言に、愛美も二の句が継げない。

(珠莉ちゃんお金持ちなんだから、それくらいケチらなくてもいいのに)

 と愛美は思ったけれど、お金持ちはケチと紙一重でもあるのだ。……もちろん、ほんの一部の人だけれど。

「…………あっそ」

 これ以上ツッコんでもムダだと悟ったらしい純也さんは、とうとう白旗を揚げた。

「――ねえ、珠莉ちゃん、さやかちゃん。ちょっと」

 愛美は少し離れた場所に、親友二人を手招きした。この話は、純也さんに聞かれると困る。

「何ですの?」

「うん?」

「あのね……。さっき、わたしと純也さんを二人っきりにしてくれたのって、もしかしてわたしに気を利かせてくれたの?」

 さやかは電話でそれっぽいことを言っていたけれど、珠莉も同じだったんだろうか?

「だってさやかちゃん、『ブランドものには興味ない』って言ってたよね?」

「うん、そうだよ。でなきゃ、自分が興味ないショップに付き合ってまで、別行動取らないよ」

「ええ。……まあ、純也叔父さまのためでもあったんだけど」

「えっ?」

 純也さんのため≠チてどういうことだろう? ――愛美は目を丸くした。

「叔父さまに頼まれていたの。『ほんのちょっとでいいから、愛美さんと二人きりで話せる時間がほしい』って」

「え……。純也さんが? そうだったんだ」

 ……知らなかった。純也さんがそのために、「苦手だ」と言っていた珠莉(めい)に頼みごとをしていたなんて。
 そして、その頼みを聞き入れた珠莉にもビックリだ。

(やっぱり純也さん、珠莉ちゃんに何か弱み握られてるんじゃ……)

 そうじゃないとしても、純也さんと珠莉の関係に何か変化があったらしいのは確かだ。同じ秘密を共有しているとか。

(……うん。そっちの方がしっくりくるかも)

 叔父と姪の関係がよくなったのなら、その考え方の方が合っている気がする。……それはさておき。 

「そうい
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