暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
恋する表参道♪ A
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聞かれたら困る話も出てくるかもしれないと思ったからである。
『そっか。あたしたちもやっと買いもの終わったとこでさぁ、ちょうど表参道沿いにいるんだ。――で、どうよ? 二人っきりになって。何か進展あった?』
「えっ? 何か……って」
明らかに何か≠ェあって動揺を隠しきれない愛美は、「やっぱり純也さんと離れてよかった」と思った。
「……えっと、純也さんに『可愛い』、『出会えてよかった』って冗談抜きで言われた。あと、連絡先も交換してもらえたよ」
『えっ、それマジ!? それってほとんど告られたようなモンじゃん!』
「え……、そうなの?」
『そうだよー。アンタ気づかなかったの? もったいないなー。じゃあ、アンタから告白は?』
「…………してない」
そう答えると、電話口でさやかにため息をつかれた。それでやっと気づく。さやかたちが愛美を純也さんと二人きりにしてくれたのは、愛美が告白しやすいようなシチュエーションをお膳立てしてくれたんだと。
『なぁんだー。ホントもったいない。せっかく告るチャンスだったのに。……でもまあ、ほんのちょっとでも距離が縮まったんならよかったかもね』
「……うん」
愛美は恋愛初心者だから、告白の仕方なんて分からない(小説では読んでいるけれど、現実の恋となると話は別なのである)。だから、純也さんと少しでも近づけただけで、今日のところは大満足なのだ。
『じゃあ、もうじきそっちに合流できるから。また後でね』
「うん。待ってるね」
――電話が切れると、愛美は純也さんのいるベンチに戻った。
「ゴメンなさい。電話、長くなっちゃって」
「さやかちゃん、何だって? なんか、僕に聞かせたくない話してたみたいだけど」
ちょっとスネたような言い方だけれど、純也さんはむしろ面白がっているようだ。女子トークに男が入ってはいけないと、ちゃんと分かっているようである。
「ああー……。えっと、さやかちゃんと珠莉ちゃんも今、表参道沿いにいるらしくて。もうすぐ合流できるって言ってました」
「それだけ?」
「いえ……。でも、あとは女子同士の話なんで。あんまりツッコまれたくないです。そこは察して下さい」
純也さんだって、一応は大人の男性なのだ。そこはうまく空気を読んで、訊かないようにしてほしい。
「…………うん、分かった」
ちょっと納得はいかないようだけれど、純也さんは渋々頷いてくれた。
「――お〜い、愛美! お待たせ〜☆」
数分後、さやかが大きな紙袋を抱えた珠莉を引き連れて、愛美たちのいるところにやって来た。
「さやかちゃん、珠莉ちゃん! ――あれ? 珠莉ちゃん、また荷物増えてない?」
「珠莉……。お前
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