暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
恋する表参道♪ @
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前のオシャレなカフェでランチを済ませた後、
竹下
(
たけした
)
通りを散策し始めた。
「――あっ、ねえねえ! このスマホカバー、可愛くない? 三人おソロで買おうよ! 友情のしるしにさ」
とある雑貨屋さんの店内で、さやかがはしゃいで言った。
「わぁ、ホントだ。可愛い! 買おう買おう♪ ……待って待って。いくらだろ、コレ?」
あまり高価なものだと、愛美は買うのをやめようと思っていた。
所持金は十分にある。あしながおじさん≠ゥらクリスマスに送られてきたお小遣いも、さやかのお父さんからお正月にもらったお年玉(中身は一万円だった!)も、短編小説コンテストの賞金もまだ残っているし、そのうえ四月の末にまたお小遣いをもらったばかりだ。
でも金額の問題ではなく、愛美は一年前に金欠を経験してから、節約するようになっていたのだ。あしながおじさん≠ゥら援助してもらったお金は、いつか独り立ちできたら全額返そうと決めていたから。
「そんなに高くないよ、コレ。二千円くらい」
「じゃあ買っちゃおっかな」
「私はいいわよ。スマホのカバーなら、高級ブランドのいい品を持ってますから」
「いいじゃん、珠莉。買えば。こんな経験できるの、今のうちだけだぞ」
自慢をまじえて拒もうとする姪に、唯一の男性で大人の純也さんが口を挟んだ。
「大人になってからは、友達とお揃いで何か買うの恥ずかしくなったりするから。今のうちにやっとけば、後々いい思い出になるってモンだ」
純也さんの言い方には、妙な説得力がある。珠莉はピンときた。
「……もしかして、叔父さまにも経験が?」
「そりゃそうだろ。俺にだって、学生時代の思い出くらいあるさ。――あ、そうだ。それ、俺からプレゼントさせてくれないかな?」
「「「えっ?」」」
思いがけない純也さんの提案に、三人の女子高生たちは一同面食らった。
「そんな! いいですよ、純也さん! コレくらい、自分で買えますから」
「そうですよ。そこまで気を遣わせちゃ悪いし」
「いいからいいから。ここは唯一の大人に花を持たせなさい♪ じゃあ、会計してくる」
そう言って、品物を受け取った彼が手帳型のスマホケースから取り出したのは、一枚の黒光りするカード――。
「ブラックカード……」
愛美は驚きのあまり、思考が止まってしまう。
ブラックカードは確か、年収が千五百万円だか二千万円だかある人にしか持てないカード。存在すること自体、都市伝説だと思っていたのに……。
「純也さんって、とんでもないお金持ちなんだね……」
今更ながら、愛美が感心すれば。
「当然でしょう? この私の親戚なんですものっ」
珠莉がなぜか、自分のことのように
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