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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
恋する表参道♪ @
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っと待って下さいね。二人にも都合訊かないと。――どうする?」

 相談する≠ニいっても、スピーカーフォンなので愛美たちの会話の内容は純也さんに筒抜けである。

「あたし、久しぶりに東京で遊びたい! 冬休みには、ウチの実家に帰る途中で品川でゴハン食べただけだもんね」

「私にとっては、東京は庭みたいなものですけど。大事なのは愛美さんの意思ですわ。あなたはどうしたいの?」 

 二人はどうやら行く気満々らしい。――もしも純也さんと二人きりで会うとなったら、愛美は(ちゅう)(ちょ)していたかもしれない。

(でも、さやかちゃんたちも一緒に行けるなら……)

「わたし、東京に行きたいです。来月三日、よろしくお願いします」

『分かった。ミュージカルの開演時刻とかは、また珠莉のスマホにメールで送っておくから。当日、気をつけておいで』

「はい!」

『僕も楽しみに待ってるよ。二人にもよろしく。じゃあ、また』

「――あ、待って純也さん。珠莉ちゃんに代わりましょうか?」

『う〜〜ん、……いいや。じゃ』

 ツー、ツー、ツー……。――呆気なく通話が切れた。

「切れちゃった……」

「もう、叔父さまったら何ですの!? 私の携帯にかけてきておいて、愛美さんと話し終えたら私に代わることなく切ってしまわれるなんて!」

 なんとなくバツの悪い愛美。珠莉はプリプリ怒っている。――ただし、怒りの矛先は愛美ではなく、叔父の純也さんらしいけれど。

「もしかして、ホントは愛美に(チョク)で連絡したかったんじゃないの? でも連絡先知らなかったから、珠莉にかけたとか」

「そうなのかなぁ?」

 そういえば、愛美はまだ純也さんと連絡先を交換していない。愛美は純也さんのアドレスを知らないし(珠莉も教えてくれないだろうし)、当然彼の方も愛美の連絡先を知らないわけだ。

「…………そうかもしれませんわね」

 さっきまでの怒りはどこへやら、珠莉はあっさり納得した。

「……? 珠莉ちゃん、どうしたんだろ? 純也さんが遊びに来てから、なんかずっとヘンだよね」

 あの日から、珠莉は絶対何かを隠している。そして、急に愛美に対して親切になった気がする。

「まあねぇ、あたしもちょっと気にはなってた。でも、あのプライドの高い珠莉のことだから、訊いても教えてくんないと思うよ」

「そうだねぇ……。まあいいか」

 相手が話しにくいこと、話したがらないことをムリヤリ聞き出すのは、愛美の性分じゃない。話したがらないなら、本人が話したくなるのを待つしかないのだ。

「それよりさ、愛美。早く着替えなよ。晩ゴハンの前に、早いとこ英語のグループ学習の課題やっちゃお」

「うん」

 愛美は勉
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