暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
恋する表参道♪ @
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てきたかな。さやかちゃんの方は?」
「楽しいよ。まあ、練習はしんどいけど、走ってるとスカッとするんだ。
記録
(
タイム
)
も縮まってきてるし、うまくすれば来月の大会に出られるかも☆」
「へえ、スゴ〜い! わたし、その時は絶対応援しに行くよ☆ ……ところで珠莉ちゃん、誰と話してるの?」
愛美は電話中の珠莉をチラッと見ながら、さやかに訊ねた。
「ああ。なんかねえ、ほんのちょっと前に純也さんから電話かかってきてさ。もう、ホントについさっき」
「純也さんから?」
彼の名前が出た途端、愛美の胸がザワつく。
この部屋で、四人でお茶を飲んでからまだ数週間。こんなにすぐに、また彼の名前を聞くことになるなんて思ってもみなかった。
(……純也さん、わたしに「電話代わって」って言ってくれたりしないかな……なんて)
こっそり、淡い期待を抱いてみる。自分から「珠莉ちゃん、電話代わって?」と言うのも、何だか厚かましい気がするし……。
「――えっ、愛美さんに代わってほしい? ……ええ、今帰ってきたみたいですけど」
その期待が、純也さんにも伝わったんだろうか? 彼と電話中だった珠莉が急に驚いた様子で、愛美の方を振り返った。
(……えっ? ウソ……)
愛美の胸が高鳴った。早く純也さんと話したくて、待っている時間がもどかしい。
「ええ、今代わりますわ。――愛美さん、純也叔父さまがあなたとお話ししたいそうよ」
「……あ、うん」
彼からの指示だろうか、珠莉がスピーカーフォンにした自身のスマホを愛美の前に置いた。
「もしもし、純也さんですか? わたし、愛美です」
『やあ、愛美ちゃん。純也です。こないだはありがとう。元気にしてる?』
「はい、元気です。――今日はどうされたんですか? お電話、わざわざわたしに代わってほしいなんて」
大好きな純也さんの声に胸がいっぱいになりながら、愛美はこの電話の用件を彼に訊ねた。
『うん、愛美ちゃんとまた話したくなったから』
「え…………」
『……っていうのも、もちろんあるんだけど。実はね、連休中に東京で公演されるミュージカルの前売りチケットが買えたんだ。四枚あるから、よかったら一緒に観に行けないかな、と思って。珠莉も、さやかちゃんも一緒に』
「ミュージカル……。っていうか、東京!? いいんですか!?」
純也さんのお誘いに、愛美は目をみはった(テレビ電話ではないので、純也さんには見えないけれど)。
『うん。ついでにみんなで美味しいものでも食べて、買いものがてら街を散策するのもいいね。
横浜
(
そっち
)
からなら日帰りで来られるだろうし。――そうだな……、五月の三日あたり。どうかな?』
「えーっと……、ちょ
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