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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
純也の来訪、再び。
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ませてほしいな」

「あ……、はいっ!」

 愛美は満面の笑みで頷いた。
 
(やっぱりわたし、この人が好き。大好き!)

 会うたびに、声を聞くたびに、愛美の中で彼への想いはどんどん大きくなっていく。こんな気持ちは生まれて初めてだった。
 彼が十三歳も年下の、それもまだ高校生の自分をどう思っているのかはまだ分からない。でも、これが恋なんだと初めて知った一年前とは違って、もう不安はない。不思議だけれど、自分に自信がついた気がする。

 ――が、そんな愛美とはうらはらに、珠莉はなぜか(けわ)しい表情をしていた。

「じゃあ、そろそろ行くよ」

「ちょっとお待ち下さい、叔父さま! ――お話があります。ちょっと来て頂けます?」

「…………え? 珠莉? 話って――」

「いいから来て下さい!」

 困惑する叔父の腕を、珠莉は有無(うむ)を言わせない態度でグイッとつかんだ。

「どうしたんだろ? 珠莉ちゃん、なんか怒ってる?」

「……だね。あたしたち、片付けもあるし先に戻ってよっか。――珠莉ー! 先に部屋に行ってるからー!」

 さやかは珠莉の返事を待たずに、愛美を促してエレベーターに向かう。愛美は珠莉と純也さんとの話の内容が気になって仕方がなかった。


   * * * *


「――さやかちゃん。珠莉ちゃん、純也さんとどんな話してるんだろうね? わたし、珠莉ちゃんのあんな剣幕(けんまく)初めて見たよ」

 先にさやかと二人、三階の部屋に戻ってきていた愛美は、私服に着替えながらさやかに話しかけた。

「さあ? でも、あたしたちに聞かれちゃ困る話だってことは間違いないよね。内々で何かあるんじゃない?」

 親戚同士には、他人が踏み込んではいけない問題もあるのかもしれない。たとえそれが親友であったとしても。

「多分、訊いても珠莉も教えてくんないと思うよ。――愛美、洗い物するから、テーブルの上の食器、キッチンまで持って来て」

「うん、分かった」

 愛美はお盆をうまく利用して、お皿・フォーク・ティーカップと受け皿(ソーサー)・ティーポットをキッチンまで運んだ。

「それだけの量、一人じゃ大変でしょ? わたしも手伝うよ」

「サンキュ。じゃあ、洗い終わった分を食器カゴに置いてくから、拭いて食器棚にしまってってくれる?」

 ――二人が手分けして片付けをしている間に、珠莉がひょっこり帰ってきた。
 純也をつかまえてひっぱっていった時の剣幕はどこへやら、何だか上機嫌だ。何があったんだろう?

「……あ、おかえり、珠莉ちゃん」

「ただいま戻りました。あら、お二人で片付けして下さってたの? ありがとう」

「いや、別にいいけど。アンタが素直なんて
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