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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
純也の来訪、再び。
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『拝啓、あしながおじさん。

 わたしが横浜に来て、二度目の春がやってきました。そして、高校二年生になりました!
 今年は一人部屋じゃなく、さやかちゃんと珠莉ちゃんと三人部屋です。お部屋の真ん中に勉強スペース兼お茶スペースがあって、その周りに三つの寝室があります。でも、ルームメイトだったらそれぞれの寝室への出入りは自由なんだそうです。
 そして、わたしは文芸部に入ることにしました。小説家になるには、個人で書くだけじゃ多分、人から読んでもらう機会は少ないと思うので。もっとたくさんの人の目に触れるには、その方がいいと思うんです。
 今年は一年生の頃よりもたくさんの本を読んで、たくさんの小説を書こうと思います。
 一年前、わたしは孤独でした。でも今は、さやかちゃんと珠莉ちゃんという頼もしい親友がいるので、もう淋しくありません。
 ではまた。これからも見守っててくださいね。    かしこ

             四月四日    二年生になった愛美    』

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 ――新学期が始まって、一週間が過ぎた。

「愛美、結局文芸部に入ることにしたんだ?」

 夕方、授業を終えて寮に帰る道すがら、さやかが愛美に訊いた。――ちなみに、もちろん珠莉も一緒である。

「うん。せっかく誘ってもらってたしね。あの時の部長さんはもう卒業されちゃっていないけど、大学でも文芸サークルに入ってるんだって。たまに顔出されるらしいよ」

 愛美は春休みの間にそのまま茗倫女子大に進学した彼女を訪ね、わざわざ大学の寮まで出向いた。
 大学の寮〈芽生(めばえ)寮〉は、この〈双葉寮〉よりもずっと大きくて立派だった。外部からの入学組も多いため、収容人数も高校の寮の比ではない。

「へえ、そっか。喜んでたでしょ、先輩」

「うん。二年生だけど、新入部員だからなんかヘンな感じだね」

「そんなことないよ。むしろ新鮮だって思うべきだね、そこは」

 上級生になったからって、いきなり先輩ヅラする必要はない。一年後輩の子たちとも、新入部員同士で仲良くなれたらそれでいい。そうさやかは言うのだ。

「そうだね。――ところで、二人はもう部活決めた?」

 一年生の時は、それぞれ学校生活に慣れるのに必死だろうからと、部活のことは特に言われなかったけれど。二年生にもなれば、各々(おのおの)入りたい部活ややりたいことも見つかるというもので。
 ――もっとも、この学校は部活に対しても生徒個人の意思に任せる校風なのだけれど。

「あたしは陸上部かな。中学でも三年間短距離(スプリンター)やってたし、小さい頃から運動得意なんだよね」

「へえ、スゴい! 珠莉ちゃんは?」

「私は茶
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