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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第1章 高校1年生
二学期〜素敵なプレゼント☆ A
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ので、今はその可愛さが二倍になっている。

「美空ちゃんっていうんだね。初めまして。わたしはお姉さんのお友達で、愛美っていうの。仲良くしてね」

「うんっ! まなみおねえちゃん、よろしくおねがいしますっ」

 美空が舌足らずで一生懸命言うのを待って、ココも「にゃあん」と一鳴き。

「かぁわいい〜〜!」

 思わずほわぁんとなってしまう愛美だった。

「――さやかちゃん、おかえりなさい。愛美ちゃんも、よく来てくれたわねえ」

 次にさやかと愛美の二人に声をかけてくれたのは、さやかの祖母・(ゆき)()だった。
 歳は七十代初めくらいで、髪は肩までの長さのロマンスグレー。物腰の柔らかそうな、おっとりした感じの女性である。

「おばあちゃん、ただいま。しばらく帰ってこられなかったけど、元気そうだね。安心した」

「相川愛美です。さやかちゃんにはいつもよくしてもらってます」

「そう? よかったわ。ウチの孫たちはみんな、いいコに育ってくれて。私も嬉しいわ」

 このリビングにいる面々に一通り挨拶を済ませた頃、さやかの母・(ひで)()がティーカップの載ったお盆を手にしてやってきた。

「愛美ちゃん、あったかい紅茶をどうぞ。ストレートでよかったかしら? お砂糖はコレね」

 お盆にはシュガーポットとスプーンも載っていた。さやかの分もある。

「わあ、ありがとうございます。頂きます」

 カップを受け取った愛美は、シュガースプーン二杯のお砂糖を入れて紅茶に口をつけた。紅茶は甘めが好みである。
 さやかは甘さ控えめで、お砂糖は一杯だけだ。

「――あ、そうだ。明日は午後からクリスマスパーティーするから。愛美ちゃんもぜひ参加してよ」

「ああ、さやかちゃんから聞いてます。従業員さんのお子さんたちを招いて開くんですよね。もちろん、わたしも参加します」

 愛美は頷く。この家に来る時の楽しみの一つだったのだ。

「そうそう。中学生以下のコたち限定なんだけどね。毎年、お兄ちゃんがサンタさんのコスプレしてプレゼント配るの。んで、あたしもトナカイコスで手伝ってるんだよ。今年は愛美にも手伝ってもらおっかな」

「わあ、楽しそう☆ わたしも手伝うよ!」

「んじゃ、愛美はサンタガールコスかな。トナカイじゃかわいそうだもんね」

「おお、いいじゃん! ぜってー可愛いとオレも思う」

 兄妹が盛り上がる中、愛美は自分がミニスカサンタになった姿を想像してみる。
 
(わたし、小柄なんだけど。似合うのかな……? でもまあ、トナカイよりは……)

「…………そうかな? じゃあ……、それで。でもいいの? さやかちゃん、今年もトナカイだよ? たまにはミニスカサンタのカッコしてみたいと
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