暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第1章 高校1年生
ナツ恋。 @
[9/10]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
がおじさん。
お元気ですか? わたしは今日も元気です。
一学期の期末テスト、無事に終わりました。わたしは今回も学年で十位以内に入ることができましたよ。喜んでくれるといいな。
もうすぐ楽しみな夏休み。しかも、高原の農園で過ごす一ヶ月間! すごくワクワクしてます。
畑や田んぼは山梨の施設にいた頃、毎日のように見てきましたけど。実際に農場で生活するのは初めてです。すごく楽しそう!
この夏はのびのび過ごして構わないんですよね? 誰に遠慮することなく?
おじさまだって、わざわざわたしの生活態度を
千藤
(
せんどう
)
さんご夫妻に監督させたりしないでしょう? だって、わたしはもう高校生なんだから!
では、おじさま。これから荷作りがあるので、これで失礼します。
夏休み、思いっきり楽しんで、いろいろ学んできますね。 かしこ
七月十七日 夏休み前でワクワクしている愛美』
****
――その後、無事に荷作りも完了し。それから四日後。
「じゃあねー、愛美! また二学期に! 夏休み、楽しんでおいでよ!」
寮に居残る生徒以外はみんな、それぞれの行き先へと向かって校門を出ていく。
さやかは学校の最寄り駅までは愛美と一緒だったけれど、駅からは行き先が違うのでそこで別れた。――ちなみに、珠莉は今ごろ、とっくに
成
(
なり
)
田
(
た
)
空港に着いているだろう。実家所有の黒塗りリムジンが迎えに来ていたから。
「うん! ありがと! さやかちゃんもいい夏休み送ってね!」
「サンキュ! 夏の間にメールかメッセージ送るよ」
「うん、楽しみにしてる! じゃあ、バイバ~イ!」
――さやかは埼玉方面に向かうホームへ。愛美はここから地下鉄で新横浜まで出る。そこから東京まで出て、そして――。
「
東
(
とう
)
京
(
きょう
)
駅からは、
北陸
(
ほくりく
)
新幹線か。おじさま、新幹線の切符まで送ってくれてる」
新幹線に乗るまでの交通費はお小遣いで何とかなるけれど、新幹線の切符代はさすがに高い。高校生が自腹を切るのはかなり痛い。
(自分が行くように勧めたんだから、新幹線の切符くらいは自分で負担してあげようって思ったのかな? おじさまって
律
(
りち
)
儀
(
ぎ
)
な人)
愛美は切符を見つめながら、フフフッと笑った。
――「東京駅は乗り換えのためだけ」という、他の人が見ればもったいない経験をして、愛美は北陸新幹線の車両に乗り込んだ。
切符は指定席で、眺めのいい窓際の座席。しかもリクライニング機能付きだ。
新幹線に乗るのはこれが二度目だけれど、今回は始発からの長旅。駅ナカのお店で買ってきたジュースやサンドイッチで昼食を済ませながら、愛美は車窓からの景色を楽しんでいた。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ