暁 〜小説投稿サイト〜
トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第3部 秘密の格差恋愛
大切な人の守り方 D
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座席で彼に深々と頭を下げた。

「ホントですよ。あれほど無茶なことはするなと言ったのに。ヘタをすれば、絢乃さん、アイツにケガさせられてたかもしれないんですからね?」

 彼はまだご立腹のようだった。でも、それはわたしのことが本当に心配だったからにほかならない。

「だーい丈夫だって。そのためにあの頼もしいお二人にも協力してもらったわけだし。いざとなったらボディーガードをしてもらうつもりで――。まあ、結局は貴方に助けられたわけだけど」

「イヤです」

「…………は?」

 彼に唐突に話を遮られ、わたしはポカンとなった。「イヤ」って何が?

「あなたが他の人に守られるなんて、僕はイヤなんです。あなたを守るのは僕じゃないとダメなんです。……すみません、ダダっ子みたいなことを言って」

「ううん、別にいいよ。貴方の気持ち、すごく嬉しいから」

 むしろ、ダダっ子みたいな貴方が可愛くて愛おしくて仕方がないんだよ、とわたしは目を細めた。

「でも、今日ほどわたしは貴方に守られてるんだなって思ったことはなかったかも。ホントにありがと」

 わたしはいつも、自分が彼を守っているんだと思っていた。でも、時々こうやって自分を(かえり)みずに無茶なことをしでかすわたしを助けてくれているのは貢だった。それは秘書としても、彼氏としても。

「わたし、いつもこうやって貴方のことを助けてるつもりでも、結局のところは貴方に助けられてるんだね」

 父の病気が分かってショックを受けた時、父が亡くなった時、親族から心ない罵声を浴びせられた時。それから会長に就任した時もそうだった。彼はいつもさりげなく、わたしの心の支えとなってくれていたのだ。彼の優しくて温かい言葉に、わたしはどれだけ救われてきたか分からない。

「今ごろ気づかれたんですか? 僕の大切さが」

「……うん、ごめん。でもありがと」

「それにしても、僕を守るなら他に方法くらいあったでしょう? あえて僕と離れて、中傷の目を遠ざけるとか」

「それは、わたしがイヤだったの。たとえ貴方を守るためでも、貴方と離れるなんてダメだと思った。だったら、一緒にいながら貴方を守る方法を取った方がいい、って。……まぁ、その分お金はかかったし、ちょっと危ない橋も渡っちゃったけど」

 傍から見れば、恋人のためにそこまでやるのかと呆れられるところだろう。確かにそうかもしれない。客観的に見れば、わたしのしたことは世間一般からズレているんだと思う。
 でも、本当に大切な人を守ろうと思ったら、その方法は人それぞれでいいんだとわたしは思う。だって、抱えている事情はそれぞれ違うんだから。

「…………まぁ、絢乃さんに何もなかったからもういいです。その代わり、僕に心配をかけるのはこれで
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