暁 〜小説投稿サイト〜
トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第3部 秘密の格差恋愛
大切な人の守り方 A
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るためには手段も選ばない覚悟です」
「桐島さん……」
わたしはこの時まで、彼の覚悟を見くびっていたのかもしれない。父の葬儀の時、彼が確かに里歩から秘書としての覚悟を問われていたことは憶えていたけれど。そこまで強い覚悟を持って働いてくれていたなんて。
「心配してくれてありがと。貴方はホントに優しいね。でも大丈夫! そんなに危ない橋は渡らないから。……多分」
「多分? 多分って何ですか多分って」
「何でもないよー。さあ、今日も頑張ろう!」
「……はーい」
彼からの鋭いツッコミを見事にスルーして、わたしはごまかすように彼の肩をポンと叩いた。
* * * *
――その日の夕食後、自室で学校の予習復習を終えたわたしは、ふと思い立って机の上のノートPCを起動させた。
ネット犯罪や、SNSでの嫌がらせなどの調査に特化した調査会社はないものか――。それも、正規のルートでは特定できないようなことまで独自のルートで調べ上げてしまえるような。
検索エンジンに「調査会社 ネット関係」というキーワードを打ち込み、エンターキーを叩くと数多くの業者がヒットしたけれど、そこからさらに「独自ルート」というワードで絞り込むと、いくつかの会社や個人事務所だけが残った。
「……あ、ここなんかいいかも」
わたしがそこで目をつけたのは、新宿にある一軒の個人事務所。WEBサイトのPRコメントには「独自のコネクションを駆使して、警察にも特定できないありとあらゆるネットトラブルの原因を特定します!」と強気な内容が書かれていて、興味をそそられた。
サイトにアクセスすると、そこは一組の男女だけで切り盛りしている零細企業らしく、所長さんは元警視庁捜査一課の警部補だったという、元刑事さんの事務所なのに、堂々と警察組織にケンカを売っているのが何だか面白いなと思った。
「まずはお気軽に、相談内容をメールで送って下さい」とあったので、サイトに記載されているメールアドレス宛てに相談したい内容を送信した。連絡先を書き込んでおけば、後から直接電話がかかってくるらしい。
『サイトを拝見しました。わたしは篠沢絢乃と申します。
実は、わたしの大切な人が現在、Xで誹謗中傷の被害に遭っています。それはすでにかなり拡散されているようで、彼のプライバシーを特定しようとする動きもあるみたいです。犯人は裏アカウントを使っているようで、警察や他の調査会社では特定するのが難しそうです。
この件での調査を、ぜひそちらでお願いできないでしょうか。わたしはどうしても、彼を助けたいんです。
このメールを読んで頂けたら、連絡をお願いします。詳しいお話は電話でさせて頂こうと思います。携帯番号は 090―〇〇××― …………』
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