暁 〜小説投稿サイト〜
トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第2部 放課後トップレディの初恋
繋がり合う気持ち C
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「――ところで、どこに行きますか?」
わたしがシートベルトを締めたところで、彼が行き先を訊ねてきた。
「う〜ん……、じゃあ久々にあのタワーに行きたいな」
「分かりました。じゃあ、
隅田
(
すみだ
)
川方面に向かいますね」
そうしてシルバーのセダンは滑らかに走り出した。
「――そういえば、会社の往復以外にこうやって桐島さんのクルマでおでかけするの、久しぶりだよね」
わたしは思い出したようにそう呟いた。というか、クルマが変わってからは初めてだった。
父が亡くなる前には、貢が学校帰りのわたしを迎えに来てくれて、クルマであちこちへ連れ出してくれていたのに。忙しくなったからそれどころではないというのもあって、八王子から丸ノ内、丸ノ内から自由が丘のルートだけになってしまった。
「そうですね……。もう二ヶ月ぶりくらいになりますか? あれから僕と絢乃さんとの関係も変わってしまいましたからねぇ。僕もおいそれとお誘いすることがためらわれてしまって」
彼はきっと、わたしと自分との関係が上司と部下≠フ関係に変わったことを気にしていたんだと思う。
「わたしは別に何も変わってないよ? だから貴方も、自分の立場がどうとか気にする必要ないんだよ」
彼が前日あんな行動に走ってしまったのも、自分で自分の気持ちを抑えてきた反動だったんじゃないだろうか。
「……はぁ」
「そういえば、桐島さんの私服姿見るの、今日で二回目だね。いつもそんな感じなの?」
わたしは珍しくスーツ姿ではない(休日だから当たり前か)彼を、まじまじと眺めた。
初めて彼の私服姿を見たのは、我が家で行われたクリスマスパーティーの時だったけれど、この日もその時と同じくピッタリとしたブラックデニムを穿き、襟付きのシャツとニットを合わせてダブルボタンの紺色のコートを合わせていた。
「ええまぁ、外出の時はだいたいそうですね。家ではスウェットとかけっこうラフな感じなんですけど。逆に兄は家でも外でもあまり変わらないですね。仕事へ行く時にもカジュアルスタイルですから。絢乃さんもご覧になったでしょう?」
「うん。カジュアルっていうか、ちょっとルーズな感じ? でも、出勤の時まであれって社会人としてどうなんだろう?」
悠さんの服装はダボッとしたカーゴパンツと、トレーナーにダウンジャケットの組み合わせだった。わたしは別に、相手がどんな服装をしていようと何とも思わないけれど。周りの人たちからどう見られているのかは気になる。余計なお世話かもしれないけれど。
「飲食チェーンですし、制服があるから大丈夫なんじゃないですか。あれできちんとTPOはわきまえてるんですよ」
「へぇ……、そうなんだ」
彼はお兄さまの話題になると、何だかご
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