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トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第1部 父との別れとわたしが進むべき道
涙の決意表明 C
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だろう。できることなら帰国して、一緒にお骨上げもしたかっただろうと思った。でも急なことだったので飛行機のチケットが取れず、泣く泣く帰国を断念したそうだ。
「そうねぇ。残念だけど、こればっかりは仕方ないわよ。今ごろ、海の向こうで別れを惜しんでいるでしょうね」
「うん……」
小さな
骨壺
(
こつつぼ
)
を抱え、後部座席で残念そうに肩をすくめた母に、父の遺影を膝の上で抱えたわたしは頷くしかなかった。でも、父と兄弟仲のよかった伯父のことだからきっと、休暇を取って帰国し、ウチに立ち寄って手を合わせに来てくれるだろう。
「――ねえママ、これからのことで、ちょっと相談があるの。桐島さんにも聞いてもらいたいんだけど」
わたしは二人に、自分の中で温めていた新たな決意を話しておこうと思い立った。
「なぁに?」
「僕は運転中ですけど、ちゃんと耳だけは傾けているので大丈夫ですよ。おっしゃって下さい」
彼はハンドルを握りながらも、わたしの話はちゃんと聞いていますよという感じで、わたしに話の続きを促した。
「うん、じゃあ言うね。――わたし、高校生と会長兼CEOの二刀流でいこうと思ってるの。どっちも頑張りたいから、二人にもぜひ協力してもらいたくて」
「分かったわ。絢乃が自分で決めたことなら、喜んで協力させてもらいましょう。で、具体的には何をしたらいいの?」
「まず、ママにはわたしの会長としての業務を代行してほしいの。学校に行ってる間、会長がいないことになっちゃうでしょ? 宏司さんは多分、鬼の首でも取ったみたいにそこを非難してくると思うから、その予防線ね」
「なるほど。あの人も当主である私には偉そうに言えないものね。いいわよ」
「ありがと、ママ。――で、桐島さんにはわたしだけじゃなくて、ママの仕事もサポートしてあげてほしいの。二人分の秘書の仕事をやることになるけど大丈夫?」
「大丈夫です。お任せください。総務でこき使われていたことを思えば、それくらい何でもないですよ」
二人から秘書として頼られることは、ものすごく大変なことだと思うけれど。それすら楽だと思えるくらい、前にいた部署ではひどい目に遭わされてきたんだろうかと、わたしは胸が痛んだ。
「ごめんね、桐島さん。貴方には苦労かけちゃうと思うけど、よろしくお願いします」
「ごめんついでに、私からもひとつお願いがあるのよ。絢乃は八王子の学校から、丸ノ内のオフィスまで通うことになって大変だと思うの。だから、秘書の業務としてこの子の送迎もお願いできないかしら?」
「かしこまりました。お引き受けしましょう」
「ありがとう、桐島くん。無理を言っちゃってごめんなさいね」
「えっ、いいの? ありがたいけど……なんか申し訳ないな」
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