暁 〜小説投稿サイト〜
トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第1部 父との別れとわたしが進むべき道
父の最後の望み B
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――そして、父と過ごす最後のクリスマスイブ当日。
「ふぅーーっ……。絢乃、飾りつけはこんなカンジでいい?」
学校はすでに冬休みに入っていて、午後イチで来てくれた里歩はパーティー会場となったリビングダイニングの装飾やケーキ作りなどを張り切って手伝ってくれた(とはいっても彼女は料理があまり得意ではないので、ケーキに関してはイチゴのトッピングを手伝ってもらっただけだった)。
彼女はもう十年以上前から篠沢邸に遊びに来ていたため、我が家でも「勝手知ったる」という感じだった。
「うん、いいんじゃない? ツリーも飾ったし、このサンタ帽もクリスマスらしくていいと思う。ありがとね、里歩」
里歩の長身は、高いところにガーランドを飾るのに大いに役立った。わたしや母では身長が足りなくて届かないのだ。
「桐島さん、そろそろ来るかなぁ」
「そうだね。夕方六時スタートって伝えてあるから、もう来る頃かな」
わたしは腕時計を見ながら、里歩に答えた。
――あの夜、「クリスマスイブの夕方から我が家でパーティーをやるんだけど、来ない?」と彼を電話で誘ったところ、最初は「僕が行ったら場違いなんじゃないですか」と遠慮していたけれど、父が招待したいんだと伝えると、かしこまったように「参加させて頂きます」と言ってくれた。
後から知ったことだけれど、彼はウチに来ることを「敷居が高い」と思っていたらしい。何の負い目もないはずなのに。それとも、わたしに好意を持っていることを父に後ろめたかったんだろうか。
――ピーンポーン……、ピーンポーン……。
六時少し前、リビングにインターフォンの音が響いた。……来た来た!
カメラ付きインターフォンのモニターを確認すると、「ちょっとおめかししました」という感じの私服姿の彼が映っていた。
「――はい」
『あ、桐島です。今日はお世話になります。――クルマ、カーポートに勝手に停めさせて頂きましたけど』
「いらっしゃい、桐島さん! 全然オッケー☆ 門のロック開いてるからどうぞ入って」
モニターを切ると、史子さんがポカンとした顔で後ろに立っているのに気がついた。
「……あ、ゴメンね!? 史子さんの仕事取っちゃって」
「いいえ、よろしゅうございます。お嬢さまのお知り合いの方でございましょう?」
「うん。パパの会社の人だよ。今日のメインゲスト」
その言い方は少しオーバーだったかもしれないけれど、父が招待した相手なのだからあながち間違ってはいないはずだ。
「分かりました」とニコニコ顔で頷き、史子さんはやりかけだった他の仕事に戻った。
「――じゃあわたし、桐島さんを出迎えに行ってくるね」
里歩にそう言ってリビングを出ようとすると、
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