十話
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も拡張領域もない一夏にとっては羨ましいのだろう。
「あはは、分けられたらいいんだけどね」
「ほう、命中率も初めて銃を握ったにしてはやるではないか」
「おう、何となくだけどコツは掴めたぜ」
シャルルと私の言葉に一夏は笑って帰す。
「だが静止目標だけではな。今度移動式の的でも持ち出すか」
「いいね、それ。一番いいのは、生で人が乗っている機体を撃つことだけど……」
「なら私が的になろうか?当てたら夕食でも奢ろう」
「ほんと?僕の腕前を甘く見ないでよね」
そんな冗談を交えていると、ふと周りが騒めきだした。
「ねえ、あれって……」
「嘘、ドイツの第三世代機!?」
「本国でトライアル中って聞いたけど……」
皆の視線の先に目をやる。そこにいたのはもう一人の転校生だった。
「…………」
ラウラ・ボーデヴィッヒは彼女は転校してきてから人との接触を嫌がっていた。人懐っこい一夏やシャルルも、ましてや私なんかも話しかけはしなかった。
「おい」
ボーデヴィッヒがオープンチャンネルで話しかける。相手は間違いなく一夏だろう。
「……なんだよ」
一夏の言葉にふわりと飛翔しながら近づいてくる。
「お前も専用機持ちだな。なら話は早い、私と戦え」
「嫌だよ。理由がねえ」
「お前にはなくとも私にはある」
ボーデヴィッヒが言う。彼らには何か因縁があるのだろうか。
「お前がいなければ教官は大会連覇という偉業を成し遂げられたはずだ。貴様という出来損ないがいなければな。だから私は貴様を認めない」
大会というとISの世界大会であるモンド・グロッソあたりか。そういえば第二回は織斑先生は参加していたが決勝戦で棄権していたな。そこで一夏と何かあったのだろうか。
「また今度な」
一夏はまるでやる気がないといった様子で手を振った。それはそうだろう、今回の研究会でだいぶ疲れているだろうしな。
「ふん、なら────戦わざるを得ないようにしてやる!」
瞬間、私の頭に警報が鳴る。
出所はボーデヴィッヒの肩に搭載した大型砲、対象は一夏だ。
まずい、高周波ブレードは遠くにある。スターライトによる撃墜も間に合わない。
しかし、遮るようにシャルルが一夏の目の前に出てくるとボーデヴィッヒの攻撃をシールドで受け止めた。
「……こんな密集空間でいきなり戦闘を始めるなんて、ドイツ人はビールだけでなく頭もホットなのかな」
「貴様……」
シャルルの手には、アサルトカノン砲であるガルムが構えられている。この短時間で一瞬で展開するとは、とてつもない技量だ。
「フランス製の|第二
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