十話
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メートル。マッハ二だ。それだけ速度があるものが君を目掛けて飛んでくるというわけだ」
一夏の言葉に、シャルルと私が答える。
「つまり、どれだけ瞬時加速をしても進行方向を読まれたらあたっちゃうってこと」
「というと、瞬時加速を使うタイミングってのもあるわけか」
「そうだ。相手が撃たない、撃てないタイミングで瞬時加速を使い一気に攻め立てるのも手だ」
基本射撃戦というものは、双方の駆け引きで成り立っている。機関銃で銃弾をばらまくのも、レーザーで敵を追い込むのも、一撃必殺に決め込むのも、双方の読み合いからだ。
一夏の場合、自分が射撃兵装を所持していない特性上その駆け引きにはめっぽう弱い。が、その代わりに一撃必殺の武器を渡されている。このアドバンテージは時に双方の読み合いをひっくり返す。
「一夏はその点は確りと理解しきれてないんだ。だから無駄な被弾が目立っているね」
「でも、どうしたらいいんだ?」
「重要なのは相手がどうしたいかを理解する事と自分がどうされたらまずいのかを考える事だ」
この点が最も重要だと言えるだろう。いかにして自分の嫌を押しのけ、自分の好きを相手に押し付けることが戦いの基本だ。
「そうか……相手のやりたいことと自分がやられたくないことが被弾につながるのか。逆に言えば相手にとって嫌なことをすればこっちの攻撃につながるわけだな」
「そういう事だ」
理解が早い。……だからこそ、疑問点がすぐ出るのだ。
「……それで、どんな動きをすれば相手は嫌がるんだ?」
「そこは自分で考えて欲しいものだ」
私の言葉に、一夏はそうだよなぁ……と俯いた。それが出来ればこんなに苦労しないのは一夏もわかっているだろう。
「もうちょっと続けて撃ってみるよ」
「うん、何なら一マガジン使い切っちゃってもいいよ」
そうシャルルが言うと、一夏がライフルを撃ち始める。意外と覚えが良くだんだんと狙いが良くなっている。
私はふと疑問に思ったことをシャルルに聞いてみた。
「シャルル君の機体は確か山田先生のと同じ型式だったが、随分様子が違うな」
私から見ると、シャルルの機体はかなり軽量化を施しているように見える。山田先生のそれとは見てくれからして随分と変わった様子だ。
「ああ、僕のは専用機だからかなりいじっているよ。正式名称はラファール・リヴァイヴ・カスタムU。基本装備をいくつか外してそのうえで拡張機能を倍にしたんだ」
「倍か。それは凄いな。装備数は?」
「今しまっているのだけでも二十くらいはあるよ」
「少しくらい分けてくれよ」
私とシャルルの会話に一夏が入ってくる。まあ後付武装
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