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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
日常への帰還
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 そう言ってシャルロットさんは手を後ろに回して胸を張るように月に向かって伸びをする。
 私も釣られるように同じ風に伸びをしてから答えます。

「構いませんよ? 赤道連合は来るものは拒まず、ですから。それに……」

「それに?」

 首を傾げるシャルロットさんに向けて飛び切りの笑顔で答える。

「友達に故郷を自慢できます」

「くすっ、そうだね。いつになるかは分からないけど楽しみにしておくよ」

 その後互いに笑いあった後は就寝時間前まで他愛無い雑談をしていました。
 旅館に戻ったら何故か一夏さん、箒さん、鈴さん、セシリアさんがロビーで織斑先生に正座させられてお説教を受けていましたけど……


――――――――――――――――――――――――――――――


 窓から差し込む太陽が眩しい……現在時刻は午前10時。ほぼ全ての生徒が帰りのバスに乗り込んで後は発車を待つばかり。

「うあ……あー……」

 そして前の席から響き渡る声はまるで映画のゾンビのように朝の日差しを台無しにしてくれています。声の主は何故かボロボロになった一夏さんから。あの後箒さんと何かあったんでしょうか。箒さんは箒さんで話してくれません。

 いつも健康優良児な一夏さんがゾンビ状態なのは昨日だけ徹夜に近いお説教を受けていたからでしょう。勝手に旅館を抜け出した罰とか。当然のようにセシリアさんたちも同じ罰でしたので今は完全にグロッキー状態。鈴さんはバスが違うのでどうかは分かりませんが朝ちょっと会ったときは顔が青かったのであっちも同じような状態だと思います。
 箒さんは流石と言うか、昨日の出来事を思い出しているのか時々顔を赤くしています。激しく気になりますが日本には人の恋路以下略ですので聞きません。

「あー、すまん。誰か飲み物持ってないか?」

 との一夏さんの言葉に……

「ねぇ? 今の言葉聞こえた?」

「聞こえてない」

「な、何か言いましたの……?」

「私のログには何もありませんね」

 上からシャルロットさん、ラウラさん、セシリアさん、私。箒さんは顔を真っ赤にしながら自分の飲みかけのペットボトルを手の中で遊ばせています。
 あ、ちなみに私は巻き込まれたくないからでセシリアさんは本当に聞こえていなかったようです。これバス動いても大丈夫ですよね? 酔ったりしませんよね?

「ねぇ、織斑一夏君っているかしら?」

「え……あ、はい、俺ですけど……」

 不意に掛けられた声に顔を前に向けると青のオシャレなカジュアルスーツを着こなした綺麗な金髪の女性が乗り込んできていました。
 あれ、あの人どこかで……

「私はナターシャ・ファイルス。『銀の福音』の操縦者よ」

「え……」


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